『特別活動において学校行事が果たす役割を整理し、その特質をよく表していると思われる学校行事の活動例をひとつ示しながら指導する際に注意すべき点を具体的に説明してください。』
学校行事は「小学校学習指導要領」において、内容が示されている。その内容とは、「学校行事においては,全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と変化を与え,集団への所属感を深め,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。」である。また、学級活動、児童会活動、クラブ活動とともに特別活動を構成するひとつの内容として位置づけられている。さらに、国際化の進むなかにおいて「日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てる」、「全ての国の国旗および国歌に対し等しく敬意を表する態度を育てる」ということが指導の観点として大事である。これらのことについての内容は次の通りである。
集団生活への適応
社会の急激な変化、少子化、都市化現象の進展などの結果、子どもたちは豊かな集団生活の体験を味わうことなく成長してきている。学校行事において集団活動をすすめ、集団活動を通じて「集団生活への適応」、「望ましい人間関係の形成」や「健全な生活態度の育成」に力を注がなければならない。
自然とのふれあい
四季の理解できない子どもが増えており、それは自然とのふれあいがないまま成長していることの証でもある。人間は自然により育まれている。自然とふれあう機会を多くもち、自然の恵みに感謝する心、自然に対する畏敬の念を育てなければならない。
勤労や奉仕の精神の涵養
人間は互いに協力し合いながら生活をするものだが、私利私欲のためには骨身を削っても、他の人のためには身を挺して貢献しない。学校行事では、積極的な「勤労」、「奉仕」の体験活動を取り入れる工夫が大切である。
人間の生き方
人間の生き方の学びは、多くの友達と活動を共に行い、人間関係を築くことによって可能になる。特別活動の学校行事においては、生き方の学びの中心は集団宿泊指導や奉仕活動および勤労生産活動の指導において行われる。
そして、学校行事を少なくとも教育課程の基準というレベルでみるかぎり、学校行事の活動は学校の教育課程や教育活動全体のなかでかなり明確な位置を与えられており、一応安定した地位を獲得しているとみることができる。
学校行事には儀式的行事、学芸的行事、健康安全・体育的行事、遠足・集団宿泊的行事、勤労生産・奉仕的行事などがあり、これらの行事は次の3つの特色を持っている。「学級の枠を超えた大きな集団による活動の場であること」、「教科の枠にとらわれずに日常の学習の成果を発展させる総合的で体験的な活動であること」、「学校生活に折り目と変化をつけ、リズムを与える非日常的な活動であるということ」である。
これらの特色を持った学校行事のひとつに運動会がある。小学校の運動会は次の3つの点に留意して行われることが望ましい。
児童の学校生活に望ましい秩序と変化を与える活動であるということ
日常の学校生活の中心になっているのは、教科学習である。そういった日常の中に運動会の練習、準備や本番といった非日常的な活動が、児童にとってよい刺激となる。これが、「マンネリ化した日常」に変化を与える役割を担うことになっている。運動会をはじめ学校行事には、学校内や学級内の秩序形成という一面がある。
大きな集団の中で協力してともに生きる態度を育てる活動であるということ
運動会は学校行事のなかでも非常に大きい単位(全校)としており、1~6年生の発達段階の違う異年齢集団による活動であるという特徴が
『特別活動において学校行事が果たす役割を整理し、その特質をよく表していると思われる学校行事の活動例をひとつ示しながら指導する際に注意すべき点を具体的に説明してください。』
学校行事は「小学校学習指導要領」において、内容が示されている。その内容とは、「学校行事においては,全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と変化を与え,集団への所属感を深め,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。」である。また、学級活動、児童会活動、クラブ活動とともに特別活動を構成するひとつの内容として位置づけられている。さらに、国際化の進むなかにおいて「日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てる」、「全ての国の国旗および国歌に対し等しく敬意を表する態度を育てる」ということが指導の観点として大事である。これらのことについての内容は次の通りである。
集団生活への適応
社会の急激な変化、少子化、都市化現象の進展などの結果、子どもたちは豊かな集団生活の体験を味わうことなく成長してきている。学校行事において集団活動をすすめ、集団活動を通じて「集団生活への適応」、「望ましい人間関係の形成」や「健全な生活態度...