解除条件説によれば、胎児は権利能力を有するものとして取り扱われることになり、死産であった場合に限って遡及的に権利能力を取得しなかったものとされる。したがって、胎児が生きて生まれる可能性と死産の可能性を比較するならば、死産の可能性が低いと考えられるため、出生前において、胎児が権利能力を有することを前提として権利義務関係を処理したとしても、死産の場合に限りその処理を見直せばよいのであるから、そのような処理の見直しが必要となる事例は比較的少なく、合理的であるものと考えられる。
しかし、解除条件説によって、胎児に権利能力が認められたとしても、胎児については法定代理人が規定されておらず、胎児自身が権利を行使することができない状況にあっては、胎児には権利行使の手段が存在しないという問題点が生じることになる。
民法課題レポート 11
1.問題
胎児の権利能力の始期をめぐる解除条件説と停止条件説について、それぞれの長所および短所を論
ぜよ。
2.回答
解除条件説によれば、胎児は権利能力を有するものとして取り扱われることになり、死産であっ
た場合に限って遡及的に権利能力を取得しなかったものとされる。したがって、胎児が生きて生ま
れる可能性と死産の可能性を比較するならば、死産の可能性が低いと考えられるため、出生前にお
いて、胎児が権利能力を有することを前提として権利義務関係を処理したとしても、死産の場合に
限りその処理を見直せばよいのであるから、そのような処理の見直しが必要となる事例は比較的少
な...