行政学レポート
論題:行政の不作為責任について。
1 不作為の責任とは、行政庁が行政上の規制権限を行使しなかったために、国民に損害が生じ
た場合において、行政庁が負う責任のことである。具体的には、国家賠償法1条に基づく国家
賠償責任である。
しかし、かかる責任を追及するには、①反射的利益論、②行政便宜主義という障害がある。
2 ①反射的利益論とは、行政上の取締りは、一般に抽象的な公益の実現のために行われるもの
で、それによって受益する個々人のために行われるものではないから、取締り行政の結果、個々
人が受ける利益は、権利ではなくいわゆる反射的利益にすぎないという法理である。
②行政便宜...