P6331 英米文学研究
『エマスンとホイットマンの詩について述べよ』
エマスンの詩は彼の超絶主義と呼ばれる思想に拠っており、その思想は
①人は直感に依って神または真理を直接知る事ができる。②神は大霊(over-soul)である。この大霊は宇宙と人に充満している。
③自然は大霊の啓示であり、投影である。自然の法則は大霊の法則である。
④全ての人の中には神性が宿っている。などである。
彼の思想はロマン主義文学、ドイツ観念論、新プラトン主義などの思想が、思想性・倫理性を重視するニューイングランドで結実した結果である。彼の詩は視覚的・絵画的であり、また形式よりも内容を重んじており、以後のアメリカ詩の大きな特徴の一つになっている。
1858年発表の『Two Rivers』の主題は、目に見えないが、万物の中を流れる霊である。「二つの川」とはコンコード川と、目に見えないコンコード川が象徴する大霊の川である。この詩のモチーフは「flow」(流れ)であり、「行く」「飛ぶ」「鼓動する」「曲がりくねって進む」などの言葉がこの詩の中で一貫して使われている。エマスンの思想に影響を及ぼした新プラトン主義のキー...