太陽光エネルギーを考える

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    太陽光エネルギーを考える 東京農工大学 工学部 佐藤勝昭 「あさお自然エネルギーセミナー」 2003.6.21 お話の内容
    第1部:エネルギー需要の伸びと新エネルギーの役割
    第2部:太陽電池とは
    第3部:我が家は太陽光発電所
    第4部:これからの太陽光発電の課題
    第1部:エネルギー需要の伸びと 新エネルギーの役割
    増え続けるエネルギー消費 増加する民生部門の消費化石燃料に頼るエネルギー供給 新エネルギー目標値: 太陽光は2010年に500万kWh増え続けるエネルギー消費 増加する民生部門の消費 27% 24% 90年 2000年 80年 21% 化石燃料に頼るエネルギー供給 経済産業省資源エネルギー庁のHPより 70%が化石燃料 石油 石炭 天然ガス 原子力 水力 新エネルギー 電力構成の推移 石油火力・水力の割合は減少、石炭・LNG・原子力の割合が増加 資源エネルギー庁のHP http://www.enecho.meti.go.jp/energy/japan/japan02.htmによる。 発電電力量(一般電気事業用)の推移 (%) 新エネルギー目標値 資源エネルギー庁のHPによる
    第2部:太陽電池について 太陽電池とは 太陽電池の仕組み 太陽電池の原理 太陽電池の材料 太陽電池とは 太陽電池は光を電気に変える半導体の素子である。太陽光のエネルギーの10%程度を電気に変える。
    太陽電池は乾電池や蓄電池と違って電気を貯める性質はない。光がないと全く発電しない。 太陽光発電器というべきである。
    太陽電池の出力は直流である。そのままでは、家庭用の電源(交流)として使えない。そのためインバータという仕掛けを使って交流に変換している。
    太陽電池の仕組み 反射防止 コーティング n型シリコン p型シリコン 下部電極 + - ここで 電子と ホールを生成 上部電極 太陽光 太陽電池の材料 太陽電池材料は半導体 シリコン系 単結晶シリコン: 材料高コスト, 比較的高効率 多結晶シリコン: 材料低コスト, 中効率 薄膜アモルファスシリコン: 省資源, 低効率, 劣化 薄膜多結晶シリコン: 省資源, 中効率(開発途上) 化合物系 単結晶GaAs: 超高効率, 高コスト, As含有→宇宙  薄膜多結晶CdTe: 高効率, 低コスト, Cd含有  薄膜多結晶CuInSe2系: 高効率, 低コスト(開発途上) 半導体とは何か 佐藤・越田:応用電子物性工学 
    半導体とは、導体(金属)と不導体(絶縁物)の中間の抵抗率をもつ固体である。半導体にはIV属元素半導体と化合物半導体がある。 半導体の電気の流れやすさは人工的に制御することができる。
    (参考)半導体とは 半導体というのは、導体(金属)と不導体(絶縁体)の中間の電気伝導率をもつ物質という意味。
    金属は温度が上がると電気が流れにくくなる性質を持つが、半導体は逆に、温度が高いほど電気が流れやすくなる性質をもつ。
    半導体の電気伝導性は金属と違って人為的に制御でき、抵抗値は金属に近いものから、絶縁体に近い値までをとる。
    半導体のいろいろ 半導体の主役はIV属元素のSi(珪素:シリコン):PCのCPUやメモリ(DRAM)の材料は、すべてSi。
    IV属をIII属元素とV属元素で置き換えたIII-V族化合物(GaAs, InAs, GaP, GaN・・)も半導体の性質をもつ。II属とVI属に置き換えたII-VI族化合物(CdTe, ZnSe・・)も半導体である。
    II-VI族化合物のII属金属をI属とIII属に置き換えたI-III-

    資料の原本内容

    太陽光エネルギーを考える
    東京農工大学
    工学部
    佐藤勝昭
    「あさお自然エネルギーセミナー」
    2003.6.21
    お話の内容
    第1部:エネルギー需要の伸びと新エネルギーの役割
    第2部:太陽電池とは
    第3部:我が家は太陽光発電所
    第4部:これからの太陽光発電の課題
    第1部:エネルギー需要の伸びと 新エネルギーの役割
    増え続けるエネルギー消費
    増加する民生部門の消費
    化石燃料に頼るエネルギー供給
    新エネルギー目標値:
    太陽光は2010年に500万kWh
    増え続けるエネルギー消費
    増加する民生部門の消費
    27%
    24%
    90年
    2000年
    80年
    21%
    化石燃料に頼るエネルギー供給
    経済産業省資源エネルギー庁のHPより
    70%が化石燃料
    石油
    石炭
    天然ガス
    原子力
    水力
    新エネルギー
    電力構成の推移 石油火力・水力の割合は減少、石炭・LNG・原子力の割合が増加
    資源エネルギー庁のHP
    http://www.enecho.meti.go.jp/energy/japan/japan02.htmによる。
    発電電力量(一般電気事業用)の推移 (%)
    新エネルギー目標値
    資源エネルギー庁のHPによる
    第2部:太陽電池について
    太陽電池とは
    太陽電池の仕組み
    太陽電池の原理
    太陽電池の材料
    太陽電池とは
    太陽電池は光を電気に変える半導体の素子である。太陽光のエネルギーの10%程度を電気に変える。
    太陽電池は乾電池や蓄電池と違って電気を貯める性質はない。光がないと全く発電しない。 太陽光発電器というべきである。
    太陽電池の出力は直流である。そのままでは、家庭用の電源(交流)として使えない。そのためインバータという仕掛けを使って交流に変換している。
    太陽電池の仕組み
    反射防止
    コーティング
    n型シリコン
    p型シリコン
    下部電極


    ここで
    電子と
    ホールを生成
    上部電極
    太陽光
    太陽電池の材料
    太陽電池材料は半導体
    シリコン系
    単結晶シリコン: 材料高コスト, 比較的高効率
    多結晶シリコン: 材料低コスト, 中効率
    薄膜アモルファスシリコン: 省資源, 低効率, 劣化
    薄膜多結晶シリコン: 省資源, 中効率(開発途上)
    化合物系
    単結晶GaAs: 超高効率, 高コスト, As含有→宇宙 
    薄膜多結晶CdTe: 高効率, 低コスト, Cd含有 
    薄膜多結晶CuInSe2系: 高効率, 低コスト(開発途上)
    半導体とは何か
    佐藤・越田:応用電子物性工学 
    半導体とは、導体(金属)と不導体(絶縁物)の中間の抵抗率をもつ固体である。半導体にはIV属元素半導体と化合物半導体がある。
    半導体の電気の流れやすさは人工的に制御することができる。
    (参考)半導体とは
    半導体というのは、導体(金属)と不導体(絶縁体)の中間の電気伝導率をもつ物質という意味。
    金属は温度が上がると電気が流れにくくなる性質を持つが、半導体は逆に、温度が高いほど電気が流れやすくなる性質をもつ。
    半導体の電気伝導性は金属と違って人為的に制御でき、抵抗値は金属に近いものから、絶縁体に近い値までをとる。
    半導体のいろいろ
    半導体の主役はIV属元素のSi(珪素:シリコン):PCのCPUやメモリ(DRAM)の材料は、すべてSi。
    IV属をIII属元素とV属元素で置き換えたIII-V族化合物(GaAs, InAs, GaP, GaN・・)も半導体の性質をもつ。II属とVI属に置き換えたII-VI族化合物(CdTe, ZnSe・・)も半導体である。
    II-VI族化合物のII属金属をI属とIII属に置き換えたI-III-VI2族化合物(CuInSe2)も半導体の性質をもつ。
    半導体のいろいろ
    窒化ガリウム(GaN) 青紫レーザ材料
    炭化珪素(SiC) 高耐熱
    珪素(Si):シリコン 標準的半導体
    ゲルマニウム(Ge) ナローギャップ
    化合物半導体 GaAs, ZnSe・・・
    ZnSe, ZnS
    http://www.ii-vi.com/
    GaAs
    http://www.ii-vi.com/
    Ge
    http://www.ii-vi.com/
    Si
    http://www.anstro.gov.au/
    SiC
    http://www.ifm.liu.se/
    GaN
    半導体と周期表
    Po
    Bi
    Pb
    Tl
    Hg
    Te
    Sb
    Sn
    In
    Cd
    Se
    As
    Ge
    Ga
    Zn
    S
    P
    Si
    Al
    O
    N
    C
    B
    VI
    V
    IV
    IIIB
    IIB
    IV族元素半導体
    Si, Ge
    化合物半導体
    IV属を挟んで両側にある元素を組み合わせると半導体の性質をもつ物質ができる
    III-V族(GaAs, GaN, InP, InSb)
    II-VI族(CdS, CdTe, ZnS, ZnSe)
    結晶:固体の原子が規則正しく配列している場合
    単結晶:固体全体が単一の原子配列の結晶でできている
    多結晶:固体がいくつかの単結晶の粒(grain)からなる
    アモルファス:固体の原子配列が長距離規則をもたない。(液体が凍結した状態)「非晶質」ともいう
    結晶(単結晶・多結晶)・アモルファス
    単結晶
    多結晶
    アモルファス
    シリコン
    珪素(Si):シリコン
    純度:eleven nine 99.999999999
    半導体素子の材料
    ガリウムヒ素
    GaAs
    InGaP, InGaAs などの混晶半導体が主に宇宙用太陽電池材料として活躍
    太陽電池の原理
    太陽電池の材料は半導体である。
    半導体にはn型半導体とp型半導体がある。
    n型:電子が電気伝導の主役になる半導体
    p型:ホールが電気伝導の主役になる半導体
    p型半導体とn型半導体を接合した構造は、電流を一方向にのみ流す「ダイオード」となる。
    pn接合ダイオードのp/n界面付近には、電子もホールもいない空乏層という領域が生じ、そこに「内蔵電界」という強い電界が生じる。
    pn接合ダイオードに光をあてると界面で電子ホール対が生じ、内蔵電界によって電子はn型に、ホールはp型に引きよせられる。これを光起電力効果という。
    n型、p型半導体
    Si(シリコン)にP(リン)を添加すると、電子がキャリア(電気の運び手)となるn(=negative:負)型半導体ができる。
    Si(シリコン)にB(ホウ素)を添加すると、ホール(電子の抜け孔:正の電荷をもつので正孔という)がキャリアとなるp(=positive:正)型半導体ができる。
    P+
    B-
    ホール
    電子
    光起電力効果の原理
    pn接合に光照射
    バンドギャップを超える光によって電子とホールが生成される
    空間電荷層の内蔵電界によって、電子はn層に拡散、ホールはp層に拡散
    p型
    n型
    空間電荷層
    +
    +
    +
    +
    -
    -
    -
    -
    伝導帯
    価電子帯
    E


    太陽電池モジュールI-V特性
    開放電圧VOC
    短絡電流
    ISC
    最大負荷線
    ピンクの面積:
    取り出せる最大の
    パワー
    形状因子FF
    =ピンクの面積/
    ブルーの面積
    太陽電池セルの効率
    η=Voc×Jsc×FF/Ds
    Ds:太陽光エネルギー密度=100mW/cm2
    たとえば、Voc=0.7V, Joc=50mA, FF=0.7
    のとき、変換効率ηは η=Voc×Jsc×FF/Ds=24.5%
    となる。
    50
    0.7
    J[mA]
    0
    V[V]
    太陽電池の変換効率の 実験室チャンピオンデータ
    単結晶シリコン:η=21.3%(三洋電機)
    多結晶シリコン:η=19.8%(New South Wales大)
    アモルファスシリコン:η=13% アモルファス・マイクロシリコン:η=14.1%(カネカ)
    InGaP/InGaAs/Ge 3接合型:η=36.5%(Sharp)
    CIGS(CuInGaSe2/CdS):η=19.5%(NREL)
    太陽光発電システム
    ■太陽電池入門のホームページより
    http://homepage2.nifty.com/domi/nyumon.html#m
    独立系
    系統連携
    系統連携
    分散型の電源を電力系統(ネットワーク、グリッド)に接続する技術。
    逆潮(分散型電源から系統に電気を送り出す)
    工事のため系統で電源を切っても、分散電源からの供給が続くと危険なので、停電すると系統連携スイッチで系統との接続は遮断される。(従って停電の時、電気は使えません。)
    系統と独立に電源とユーザが自己完結するアイランディング現象が起きることもある。
    第3部:我が家は太陽光発電所
    家を建てたいきさつ
    省エネルギーと創エネルギー
    太陽電池パネルの設置作業
    佐藤勝昭太陽光発電所の誕生
    発電と売電の実績
    オール電化のよい点、改善すべき点
    未来の太陽光発電
    家を建て替えたいきさつ
    18年前に建てた家(軽量鉄骨系プレハブ) が老朽化してきたため立て替えを検討。
    1992年電力10社は分散型電源からの「余剰電力購入制度」を開始。
    1993年通産省資源エネルギー庁「低圧逆潮流ありの系統連携ガイドライン」を策定。
    1993年M社「省エネルギー太陽光発電住宅」発売を発表。
    1993年に設計、着工、1994年3月入居
    省エネルギー&太陽光発電
    木質パネル接着工法2階建て(床面積140m2)
    高気密・強断熱(熱損失率:1.19kcal/m2h,気密:2cm2/m2)
    壁、床:グラスウール100mm(外壁の厚み120mm)
    天井:ロックウール200mm
    窓:樹脂サッシ、2重ガラス、低放射コーティング
    空調:セントラル換気(0.2回/h)・冷暖房(各室風量調整)
    太陽光発電
    3kW京セラ多結晶モジュール35枚(7直列×5並列)
    最高電圧205V, 最適電流14.7A, 総出力3.014k...

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