「日本の国際協力(国際貢献)のあり方について」
1.はじめに
私たちは、マスコミなどを通してしばしば、「国際協力(国際貢献)」という言葉を耳にする。しかしその規模や内容はまちまちであり、共通する定義を見いだすことはなかなか困難なことのように思える。ここでは設題の「日本の国際協力」ということから、国としての国際協力のあり方に視点をおいて考えたい。
はじめに第2次世界大戦後の日本の復興がさまざまな国際協力(特に経済協力)によってなされたことを理解した上で、その後の経過と今後のあり方について論じる。
2.日本が受けた国際協力
1945年の第2次世界大戦後日本は、敗戦国となりアメリカの占領下で復興を目指すこととなった。復興のための最初の財源として、寄付したものは「占領地域救済政府資金(GARIOA)」や「占領地域経済復興資金(EROA)」などのアメリカからの経済的な援助であった。これが、現代的な意味でいう「日本と国際協力」のはじまりだと考えられるが、その財源はアメリカの軍事予算から支出されていた。
この日本への支援は敗戦後の1946年から、1951年のサンフランシスコ講和条約の成立まで続けられ...