オペラント条件づけ

閲覧数18,146
ダウンロード数22
履歴確認

    • ページ数 : 8ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    目的
    オペラント条件付けとは、スキナーによって初めて持ちいられた概念(梅津・相良・宮城・依田、1981)である。これは、強化を通じてオペラント行動(環境に特定の誘発刺激が存在しないのに、動物によって自発される行動’であり、人や動物が“自発的に”“意識的に”“能動的”に行う行動)が強められたり、弱められたりする手続きを示す(藤田・藤田、2001)。たとえば、スキナーはラットをスキナー箱と呼ばれる特殊な装置の中に入れ、その行動を観察した。ラットは最初はスキナー箱で様々な行動をするが、あるとき、偶然にレバーを押した。すると、実験者によって餌が与えられ、レバー押し行動に必ず餌が与えられ続けると、レバーを押す行動しかしなくなった。つまり、実験者の望む方向に沿う反応だけを強化することができることが示された(内田、2005)。この技法はシェーピングと呼ばれ、オペラント条件付けにおいて様々な強化スケジュールでラットの反応率を検討するうえで、最も基本的なものである。
    オペラント条件付けでは、古典的条件付けと同じように、 獲得された反応が消去、自発的回復、般化、といった特徴を持つことが知られている。このような、オペラント条件付けの手続きによって発見された学習の原理は、種を越えた一般性があり、現実場面で応用可能で、人間の問題行動の変容にも応用できる、といった多くの利点を備えている(メイザー、1996)。そのため、現在でも多くの研究者が、様々な動物や強化スケジュールを用いて実験を行っている。
    今回の実験では、スキナー箱を用いて、餌を報酬としてラットのレバー押し反応のオペラント条件付けを試みた。具体的には、ラットのレバー押し反応において、シェイピング、消去、再学習、の過程を観察し、その1分ごとの累積反応数や餌皿反応を図に示し、一般的に広く知られている結果が得られるかを検討した。
    方法
    被験体
    過去に実験経験のない体重180gの雄のウイスター系アルビノラットを被験体とした。
    装置
    スキナー箱は(横28.1cm、縦23.7cm、高さ26.6cm)であった。装置内の前パネルの向かって右下の床から4.7cmの高さの位置にレバーが取り付けられており、レバーから左の方に6.5cm離れた位置にあった。なお、餌皿は床から1.7cmの高さの位置に取り付けられていた。箱の外側にペレットをおく箱があり、実験者がボタンを押せば給餌音が鳴り、餌皿にペレットが落ちる仕組みになっていた。
    手続き
    4週間の実験にわたり、被験体を1週間サイクルの絶食条件下におき、週に一回の実験日には基準体重の約85%を維持した。基準体重は、動因操作を施す第一週間は動因操作開始日の体重であり、それ以降は月曜日ごとに体重のうち最も重いものとした。原則として、実験の四日前から餌の制限を行い、その日は0g、三日前には3g、二日前には6g、前日にはラットの体重が基準体重の90g以上なら3g、90%未満なら6gの餌を与えた。
     実験開始時に、ラットを実験環境に慣れさせるため装置馴致を行った。その一週間後に、マガジン訓練を行った。その1週間後にシェイピングを行った。ラットをスキナー箱にいれ、1分ごとにレバーへの強化をさせた。強化は以下のステップでなされた。最初に、ウロウロしているラットがレバーへ接近するだけで餌を与えた。2番目のステップでは 、ラットの動く範囲がレバーの近くになった状態でラットがレバー前で足上げをしたら餌を与えた。3番目のステップでは、ラットが前足でレバーに接触したら餌を与えた。最終的にラットが前足でレバーを押した場合

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    目的
    オペラント条件付けとは、スキナーによって初めて持ちいられた概念(梅津・相良・宮城・依田、1981)である。これは、強化を通じてオペラント行動(環境に特定の誘発刺激が存在しないのに、動物によって自発される行動’であり、人や動物が“自発的に”“意識的に”“能動的”に行う行動)が強められたり、弱められたりする手続きを示す(藤田・藤田、2001)。たとえば、スキナーはラットをスキナー箱と呼ばれる特殊な装置の中に入れ、その行動を観察した。ラットは最初はスキナー箱で様々な行動をするが、あるとき、偶然にレバーを押した。すると、実験者によって餌が与えられ、レバー押し行動に必ず餌が与えられ続けると、レバーを押す行動しかしなくなった。つまり、実験者の望む方向に沿う反応だけを強化することができることが示された(内田、2005)。この技法はシェーピングと呼ばれ、オペラント条件付けにおいて様々な強化スケジュールでラットの反応率を検討するうえで、最も基本的なものである。
    オペラント条件付けでは、古典的条件付けと同じように、 獲得された反応が消去、自発的回復、般化、といった特徴を持つことが知られている。このよ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。