「社会福祉調査の性格と類型についてまとめ、統計調査と事例調査の相違について述べ
よ。
」
1 社会福祉調査の性格
社会福祉調査とは、社会福祉実践(ソーシャルワーク)が行われる際に用いられる社会
福祉における専門的な調査のことで、社会福祉の実践を目指し問題の解決に向かう行動の
ために行われる調査である。福祉のニーズの測定と福祉活動の効果の測定にもなる。
社会福祉調査は、基本的には「社会調査」の一分野である。社会調査の系統には、政治
・行政的目的をもつ統計調査(センサス、国勢調査)、社会改良的目的をもつ社会踏査(ソ
ーシャル・サーベイ)
、サービスや営利目的をもつ世論調査ならびに市場調査、研究目的を
もつ社会調査の 4 つがある。社会踏査は、貧困、犯罪、失業および低賃金等の多様な社会
問題に対して、それらの問題を特定の地域や社会に焦点をあて、その実態を解明しその問
題の解決や緩和を目指す社会改良的目的をもつ実践的性格の強い調査である。この調査は
社会調査の中で統計調査についで 2 番目に古く、今日の社会福祉調査の源流を形成してい
る。
社会福祉調査は、その対象の性格から優れて問題解決志向性...