布の保温性

閲覧数8,045
ダウンロード数3
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    合成繊維の毛の向きによっても保温性が変わるという説明があったが,これには空気の対流が関係すると考えられる.体温と外気温を一定に保てば,繊維の向きに関係なく熱移動するが,実際には自然対流が起こっていたり,風などによる強制対流が起こっていたりする.このため皮膚の周りで空気の層を保っていられる方が,保温性が高まるだろう.つまり合成繊維なら,毛が内向きの方が外向きに比べ,保温性が高いと予想できる.恒温法でも布の枚数が増えるほど保温性が高かったが,これも空気の層が増え,熱が伝わりにくくなるためだと思われる.
    ところで,実験ではギャバや白布に比べ羊毛の保温率が高かったが,これは含気率だけではなく,羊毛の吸湿性によるものだろう.外気温が低くなった場合,空気中の水分量は急に変化しないので,相対湿度は高くなる.すると,毛はより多くの水分を吸収し,このとき水蒸気が水になるのとほぼ同様の熱を放出する.その熱が毛を温め,外気温の低下を感じにくくするものと考えられる.
    今回の実験から,含気率や吸湿性の高いものほど保温性も高いことが,空気の熱伝導性との関係を考えることでよく分かった.実生活から,セーターは暖かいというようなことは分かっているが,理由を詳しく調べることで普段の衣服により興味が持てたと思う.

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    布の保温性
    1.目的
       カタ寒暖計法と恒温法により布の保温性を調べ,各布の性能や特徴について考察する.また,布の枚数により,どの程度保温性に変化が表れるか観察する.
    2.方法
      カタ寒暖計法〈試料〉布8種類
    〈器具〉カタ寒暖計,スタンド,ストップウォッチ,ビーカーなど
    〈方法〉①試料布をカタ寒暖計に合わせて袋状にしたものを用意した.
                ②ビーカーに約60℃の水を用意し,カタ寒暖計を入れて温め,アルコールを十分に上昇させた.
                ③カタ寒暖計のぬれた部分を手早く拭き,球部に試料袋をはめてスタンドに取り付けた.
                ④アルコールが上部の標線から下部の標線まで通過する時間を測定した.
                ⑤次式により保温率を求めた.
                  保温率(%)=(1-a/b)×100
                  a:裸状で標線の上部から下部まで冷却するのに要する時間
    b:試料袋をはめて標線の上部から下部まで冷却するのに要する時間
        恒温法 〈試料〉デニム(綿)の布 30×30cm
    〈方法〉①保温性試験...

    コメント1件

    chiro23 購入
    参考になった
    2006/07/18 2:20 (18年4ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。