実験の目的:微生物関連指標として大腸菌ファージの測定を行い,測定法を習得するとともにその意味について考察する.
〈課題1〉
中庭水と水道水では,ろ過したものもしないものも0 PFU/mLで等しかった.もともと大腸菌ファージが全く含まれていなかったため,前処理方法に関係なくこのような結果になったのだと思う.
一方,下水処理水では,ろ過しないものよりろ過したものの方が値が小さくなった.これは,ろ過することにより一般細菌が除去され,一般細菌に寄生するファージが除かれたためだと考えられる.
ところが,神田川水では,ろ過しないものよりろ過したものの方が値が大きくなった.そこで実際にカウントするときの違いを比較すると,ろ過しないものだと大腸菌による白い斑点もあり,計数しにくかったのに対し,ろ過したものは濁りが少なく数えやすかった.よって,ろ過することによってファージ測定の条件がよくなったため,測定値が増えたものと思われる.
微生物試験(大腸菌ファージ)
1.目的
微生物関連指標として大腸菌ファージの測定を行い,測定法を習得するとともにその意味について考察する.
2.方法
2.1〈試料〉環境水:神田川水,下水処理水,中庭水,水道水(それぞれ前処理したものとしないもの)
ファージQβ溶液
2.2〈器具・装置〉メスピペット,小試験管,滅菌済みシャーレ,0.45μmフィルターセット,オートクレーブ,インキュベーター,保温槽など
2.3〈方法〉ファージQβ溶液(1mL法)
①試料をよく撹拌し,希釈溶液を用いて×103,×104,×105に希釈した.
②希釈した試料1mLを下層寒天培地の入ったシャーレに入れた.
③上層寒天培地にホスト用大腸菌を約0.3mL入れ,軽く撹拌した.
④③をシャーレに入れ,よくかき混ぜた.
⑤静置凝固させた後,37℃のインキュベーターで16~24時間培養した.
⑥計数し,30~300のプラックができたプレートの平均値をもってファージ数とした.各班,各希釈段階について2枚測...