2012年度の課題です。
略題:間違った学習論と有意味学習
間違った学習論
何かを学習する際、私たちは、「学習対象の量が少なければ少ないほど易しい」「繰り返し経験すればするほど、よくできるようになる」と考えがちである。このような考えは、中高生を扱ったテレビドラマや書籍でも一般的に見られるように、ほとんどの人々が共有しているものであろう。しかし、以下のように考えを進めてみると、一概にそうとは言えないことが分かる。
まず、学習の難しさが学習対象の量に比例するという学習論について考えてみよう。たとえば、①墾田永年私財法、②三世一身法、③荘園の成立、④班田収授法を年代の古い順に並べるとする。これらをただ単に年代の語呂合わせで機械的に暗記したり、それぞれの時代に起こった個別の出来事として学習したりしていた場合、時間が経つと忘れてしまうことが多い。しかし、これら4つの出来事は、「古代土地制度の変遷」という括りで意味づけることができる。最初は公地公民制で国が土地を管理していたが(④班田収授法)、墾田の奨励のため開墾者から三世代までの私有が認められると(②三世一身法)、そのうち永久的な私有が認められるようになり(①墾田永年...