1、企業の投資行動と銀行融資
現在の経済市場では、設備投資が競争での成否の鍵となっている。投資をする際に、企業は将来の事業展開を視野に入れた複数の投資計画をたて、それぞれについて各期の収益を予想し、収益性の程度を評価する。最適な投資というのは、この予想が正しく耐用期間が終わる時に負債が完済されるだけでなく、余剰も生じており、この場合、企業は適切な規模と内容の投資を行ったことになる。しかし、その逆に、予想が収益を下回ると負債が残り、投資の失敗となり、不適切であったといえる。
企業が、設備投資を計画し、そのための資金を銀行からの借り入れによって賄うケースがほとんどである。銀行にとって、融資は最重要な収入資源であるから、高収益が期待される投資案件であるほど、融資に積極的になる。しかし、情報の非対称性という問題が起こってくるのである。企業は、出きるだけ好条件で融資を受けたいがために、有利な情報だけを提示する。銀行が企業の情報のみを頼りに融資案件を選別し、融資額を決定すると、正しい情報を隠さず提示した優良企業は融資を受けられず、都合の良い情報のみを提示した問題のある企業は、融資を受けられるといった具合の問題が起きてくるのである。その結果、銀行は、債権の回収が不可能になって、経営破綻をきたしてしまったのである。
銀行は、融資の増加に伴うリスクを軽減するために、投資案件の評価とともに、融資額に見合った担保の評価を求めることにしている。一般に担保となるのは、市場性のある不動産で、とりわけ土地の場合が多い。実際、企業が投資計画とともに、価値のある土地を担保として提供するならば、銀行側のリスクも大幅に低下するから、企業は有利な条件で融資を受けられるようになったのである。
1、企業の投資行動と銀行融資
現在の経済市場では、設備投資が競争での成否の鍵となっている。投資をする際に、企業は将来の事業展開を視野に入れた複数の投資計画をたて、それぞれについて各期の収益を予想し、収益性の程度を評価する。最適な投資というのは、この予想が正しく耐用期間が終わる時に負債が完済されるだけでなく、余剰も生じており、この場合、企業は適切な規模と内容の投資を行ったことになる。しかし、その逆に、予想が収益を下回ると負債が残り、投資の失敗となり、不適切であったといえる。
企業が、設備投資を計画し、そのための資金を銀行からの借り入れによって賄うケースがほとんどである。銀行にとって、融資は最重要な収入資源であるから、高収益が期待される投資案件であるほど、融資に積極的になる。しかし、情報の非対称性という問題が起こってくるのである。企業は、出きるだけ好条件で融資を受けたいがために、有利な情報だけを提示する。銀行が企業の情報のみを頼りに融資案件を選別し、融資額を決定すると、正しい情報を隠さず提示した優良企業は融資を受けられず、都合の良い情報のみを提示した問題のある企業は、融資を受けられるといっ...