東南アジア諸国の経済発展の要因に関する実証分析

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    資料紹介

    一体何が二地域間のGDP成長率の格差を拡大させたのだろうか。その大きな要素は、東アジアの経済体制の柔軟性と、人材の貯蓄にあったのだと考える。具体的に言えば、その地域が外貨を呼び込む環境を整備し、更に人材育成に力を入れていたということである。発展途上国が大きな経済成長を遂げるには、先進国の経済力が不可欠である。市場経済体制をとり、先進国にとって魅力的な市場であることで、東アジアは高いGDP成長率を達成できたのではないか。しかしそれだけでは、高成長率を維持することは難しいであろう。おそらく東アジアにおいては、経済発展支える人材の質が高かったのではないか、と想像される。では、これらのことを検証していってみよう。

    東アジアはわずか9カ国にしながら4地域の合計の50.7%にあたる直接投資を受けている。外国からの直接投資は、新しい技術や革新的な経営をもたらし、雇用機会の増大にもつながることが期待されており、経済の発展には大変重要であるといわれる。例えば企業が海外進出する際、まず工場を建設するための資金がその国には流入する。また、工場の建設・操業にあたって機械設備や原材料が企業側の国から流入し、人材が派遣されて指導にあたるなかで生産手法や経営手法が伝わることもある。つまり、直接投資は資本・経営能力・技術的知識などの経営資源のパッケージとしての移転であり、故に途上国の経済発展に大きく寄与するのである。東アジアの実質成長率の伸びは、世界中から多くの直接投資を受けていることにあるといえる。
     次のグラフは、APEC個別行動計画で報告された東アジア各国・地域の平均関税率の推移を表したものである。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    統計情報処理レポート 『東南アジア諸国の経済発展の要因に関する実証分析』
    Ⅰ.問題意識                                         
    次のグラフは、1960年代から1990年代にかけての世界各地域の実質GDP成長率推移である。
    問題提起:急速な経済発展を遂げた東アジアは、他の発展途上国と何が違ったのか?
    仮説:発展途上国のGDP成長率は、その国の外資受け入れ環境の整備と、人材育成に起因していると考える。
    検証:
    はじめに、東アジアと中南米のGDP成長率を比較してみよう。
     共に発展途上地域である東アジアと中南米地域において、60年代はアジアが5.29%、中南米はが5.23%、とほぼ同程度の実質GDP成長率であったが、その後は東アジア地域が高成長率を維持する一方で、中南米地域では70年代から80年代にかけて成長率が急激に下がり、その後の伸びも芳しくない。グラフの、米国、EU15カ国のグラフを見ると分かるように、共に先進国であるこの二つの地域では成長率の推移にそれ程の違いが見られない。つまり、東アジアと中南米地域のこの格差はかなり大きな大きいなものである...

    コメント2件

    cigapeace 購入
    よく分析されていて参考になりました。
    2006/01/28 22:46 (18年10ヶ月前)

    ユウヒロ 購入
    かなり詳しく調べられているが、少し見難かった・・・
    2008/01/17 9:21 (16年10ヶ月前)

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