現在アルバイトの関係上、幼児(満1歳3ヶ月)に接する機会がしばしばある。その子は会うたびにいろいろな仕草をするようになったり、言葉を話せるようになったりと著しい成長が目に見えてわかる。この急速な発達はどのように成り立っているのだろうか。そこで、ピアジェによる幼児の知的発達の段階について調べた。
児童心理学者として有名なピアジェ[Piaget]は乳児の感覚運動的知能の発達を、同化と調節が機能して感覚運動的シェマが発達する過程とみなしている。シェマとは基本的構造様式のことであり、乳児が環境に適応する際に繰り返し使用する活動や知識の枠組みである。同化とはシェマが環境を取り込むことを、調節とは環境を取り込む過程でシェマが変化することを意味する。ピアジェは乳児の感覚運動的知能の発達を、反射の行使の段階から表象能力の出現までの6段階に分けている。
〈第一段階‐生後0~1ヶ月〉
乳児の活動は吸啜反射や把握反射といった多くの生得的な反射行動に限定されている。この反射行動は、遺伝的に対象との接触へ方向づけられている。そして、実際に対象との接触が反復され、反射が繰り返し実行されることによって、その反射行動は適応的なシェマとして安定化する。具体例として、母乳の吸い方が上手になったり、ものをうまくつかむことができるようになることがあげられる。
〈第二段階‐生後1~4ヶ月〉
生得的な反射行動は、同化と調節を繰り返し、新しい行動パターンに変容される。この新しい行動シェマが第一次循環反応である。第一次循環反応では、満足が得られた自分の活動そのものに興味を抱き、その活動が繰り返される。例として、あるものを口に運ぶという循環反応がある。乳児はこの活動の満足を把握した対象から得るのではなく、その活動自体から得ているとみなされる。
ピアジェによる幼児の知的発達の段階
現在アルバイトの関係上、幼児(満1歳3ヶ月)に接する機会がしばしばある。その子は会うたびにいろいろな仕草をするようになったり、言葉を話せるようになったりと著しい成長が目に見えてわかる。この急速な発達はどのように成り立っているのだろうか。そこで、ピアジェによる幼児の知的発達の段階について調べた。
児童心理学者として有名なピアジェ[Piaget]は乳児の感覚運動的知能の発達を、同化と調節が機能して感覚運動的シェマが発達する過程とみなしている。シェマとは基本的構造様式のことであり、乳児が環境に適応する際に繰り返し使用する活動や知識の枠組みである。同化とはシェマが環境を取り込むことを、調節とは環境を取り込む過程でシェマが変化することを意味する。ピアジェは乳児の感覚運動的知能の発達を、反射の行使の段階から表象能力の出現までの6段階に分けている。
〈第一段階‐生後0~1ヶ月〉
乳児の活動は吸啜反射や把握反射といった多くの生得的な反射行動に限定されている。この反射行動は、遺伝的に対象との接触へ方向づけられている。そして、実際に対象との接触が反復され、反射が繰り...