<序論>
「福祉国家」の発展は「国民国家」の発展に密接にリンクするものといわれている。しかしグローバリゼーションの進む現在、国民国家の象徴である独占的な政治および経済的権限が「危機」にさらされており、それによって「福祉国家」も同時に再編を迫られたのは周知のとおりである。そこで、資本主義経済という構造の中で、グローバリゼーションはどのような形で「福祉国家」の変容に影響をもたらしているのかを明らかにしながら、その結果「福祉国家」における福祉政策はどのような変化をしたのか、考察していこうと思う。
<グローバリゼーションが福祉政策に与える影響>
グローバリゼーションは国際経済の秩序の変容であると言える。では、「福祉国家」を「危機」へ導いたその事象とは、いったい何があるのだろうか、みていくことにする。
まず、固定相場制から1973年以降の変動相場制への移行が挙げられよう。これにより通貨の交換比率は市場取引で決まるようになり、従来に比べて国際経済の枠組みは大幅に変化した。
2005年度前期 比較社会規範論Ⅰレポート
テーマ番号:Ⅰ.資本主義社会における福祉国家の機能
「グローバリゼーションと福祉国家」
<参考文献>
『福祉国家の再検討』 白鳥令[著] 新評論
『社会福祉政策』 坂田周一[著] 有斐閣アルマ
<序論>
「福祉国家」の発展は「国民国家」の発展に密接にリンクするものといわれている。しかしグローバリゼーションの進む現在、国民国家の象徴である独占的な政治および経済的権限が「危機」にさらされており、それによって「福祉国家」も同時に再編を迫られたのは周知のとおりである。そこで、資本主義経済という構造の中で、グローバリゼーションはどのような形で「福祉国家」の変容に影響をもたらしているのかを明らかにしながら、その結果「福祉国家」における福祉政策はどのような変化をしたのか、考察していこうと思う。
<グローバリゼーションが福祉政策に与える影響>
グローバリゼーションは国際経済の秩序の変容であると言える。では、「福祉国家」を「危機」へ導いたその事象とは、いったい何があるのだろうか、みていくことにする。
まず、固定相場制から1973年以降の変動相場制...