縄文時代の埋葬頭位研究の現状

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    資料紹介

    1.はじめに
    これまでの縄文時代の墓制研究において、埋葬人骨の頭位方向は他の属性と比較して特に重要視されてきたといえる。それは頭位方向が当時の精神文化のあり方や社会組織を表しているとの解釈が行われてきたためであろう。本稿では縄文時代の埋葬頭位研究史をまとめてみることにより、頭位研究をする意義や課題について考えてみたいと思う。

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    縄文時代の埋葬頭位研究の現状
    目次
    1.はじめに
    2.埋葬頭位は何を表すのか
    3.埋葬頭位研究史
    4.おわりに
    1.はじめに
    これまでの縄文時代の墓制研究において、埋葬人骨の頭位方向は他の属性と比較して特に重要視されてきたといえる。それは頭位方向が当時の精神文化のあり方や社会組織を表しているとの解釈が行われてきたためであろう。本稿では縄文時代の埋葬頭位研究史をまとめてみることにより、頭位研究をする意義や課題について考えてみたいと思う。
    2.埋葬頭位は何を表すのか
    山田康弘は考古学的に墓から観察可能な属性を、その付加される契機をもとに生前付加属性と死後付加属性とに分類している(山田1997)。それに基づけば、頭位方向は死後付加属性であり、これは本人によって最終的に決定することは不可能であるため、必ずしも生前の被葬者の立場や状態を直接的に表していたとは言い難い面がある。頭位方向に関して、どのような解釈が述べられてきたのか、以下述べることにする。
    3.埋葬頭位研究史
     日本において初めて埋葬頭位について述べたのは長谷部言人であった。以後小金井良精、清野謙次などがさまざまな見解を述べるが、戦前...

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