古代地中海世界の歴史
本稿では、ヘレニズム諸王国の動向から始めてローマによる地中海世界の支配、そしてその衰退を概観していきたい。
◎マケドニア王国の拡大
マケドニア人は、前4世紀に軍制改革や鉱山の開発によって体制をととのえ、フィリッポス2世のときには、ギリシア世界の征服を目指した。弱体化したポリス連合軍をカイロネイアの戦いでやぶったフィリッポスはコリント同盟を結成し、その盟主となった。ポリスは相互の戦争を禁じられ、市民間の格差は固定され、現状の政治秩序の維持が求められた。
古代地中海世界の歴史
本稿では、ヘレニズム諸王国の動向から始めてローマによる地中海世界の支配、そしてその衰退を概観していきたい。
◎マケドニア王国の拡大
マケドニア人は、前4世紀に軍制改革や鉱山の開発によって体制をととのえ、フィリッポス2世のときには、ギリシア世界の征服を目指した。弱体化したポリス連合軍をカイロネイアの戦いでやぶったフィリッポスはコリント同盟を結成し、その盟主となった。ポリスは相互の戦争を禁じられ、市民間の格差は固定され、現状の政治秩序の維持が求められた。
◎ペルシア遠征
フィリッポス2世の子アレクサンドロスは、マケドニア・ギリシア連合軍を率いて、ペルシアに侵入した。そしてギリシア・西アジアからインダス川流域までを領有する大帝国が成立した。しかし、彼は遠征後バビロンで急死し、その帝国は崩壊した。
ペルシア遠征の意義としては1つは、いままでエーゲ海一帯にしか領土を有していなかったギリシア人が、アレクサンドロスのペルシア遠征により、広大な帝国を築き、彼の死後成立した諸王国では、マケドニア・ギリシア人の人々が支配層を形成し、東方の各地域にギリシア人が多数移住した。これを...