今回のレポートのテーマは「心理学的に人間の発達を理解しようとする際に、思春期と青年期をことなる段階としてとらえるべきと考えるか、思春期を青年期に含めてとらえるべきか、あるいはもっと別のとらえ方をするべきか」ということであるが、いまだに研究者の間で意見の一致が見られないというのに、それを学生である私がその区分をしなければならないというのは、答えのない問題に対して答えをつくるという作業をしているようなもので、非常に困難を極める。だが、弁明を述べるだけではらちがあかないので、以下に私の調査結果とその結論を述べることにする。
「思春期」の語源
まず、思春期の語源はどうなっているのであろうか。
B・Rマッキャンドルズ/R・Hクープ著「思春期 その行動と発達のすべて」メディサイエンス社 によれば、"adolescence"は、“成長すること“を意味するラテン語の"adolescere"に由来しており、子どもからおとなへの成長期とその過程である、とし、"pubescence"と"puberty"もまたラテン語に由来し、より肉体的な意味合いをもっているという。ラテン語の動詞である"pubescence"は"毛深いこと"であり、思春期に下腹部に生じる毛"pubes"に関連した言葉であるという。ラテン語の名詞"pubescence"は、体や顔の毛が完全に生えそろった“青年期“を指すという。それゆえ、現代語である"pubescence"を使うときには、それは下腹部に毛が生え始めてから性的に成熟するまでの発達過程を意味し、それに対し"puberty"は性的に成熟した時点の意味に限局される、という。
残念ながら、日本語の「思春期」の語源を知ることはできなかったが、どうやら「思春期」という言葉は"adolescence""pubescence""puberty"を混同した意味をもっているようである。
思春期と青年期のとらえ方に関する一考察
今回のレポートのテーマは「心理学的に人間の発達を理解しようとする際に、思春期と青年期をことなる段階としてとらえるべきと考えるか、思春期を青年期に含めてとらえるべきか、あるいはもっと別のとらえ方をするべきか」ということであるが、いまだに研究者の間で意見の一致が見られないというのに、それを学生である私がその区分をしなければならないというのは、答えのない問題に対して答えをつくるという作業をしているようなもので、非常に困難を極める。だが、弁明を述べるだけではらちがあかないので、以下に私の調査結果とその結論を述べることにする。
「思春期」の語源
まず、思春期の語源はどうなっているのであろうか。
B・Rマッキャンドルズ/R・Hクープ著「思春期 その行動と発達のすべて」メディサイエンス社 によれば、"adolescence"は、“成長すること“を意味するラテン語の"adolescere"に由来しており、子どもからおとなへの成長期とその過程である、とし、"pubescence"と"puberty"もまたラテン語に由来し、より肉体的な意味合いをもっているという。ラ...