日々の消費行動に於いて、意識的であれ、無意識的であれ、ブランドという概念が大きな影響を与えていると考えられる。ブランドはラテン語のBurnedを語源とするものと言われているが、品物に印を付けることは古代ギリシャ時代からも行われており、「陶工のマーク」など品物の産地や出自を表す役割を果たしていた。14世紀頃から手工業ごとのマークが現れるが、これらはギルドによる粗悪品の出所追求と処罰のための統制手段であり、いわば、「生産組合のマーク」と言える。ブランドとは名前、シンボル、デザイン等の独自性とそれらの組合せによって得られる信頼性、固有の価値が与えうるイメージと一般的に定義される。そこで、ブランド構築をについて述べることとする。
第1章 ブランドの概念とその構築
第1節 ブランドの概要
ブランドの概要について述べるうえにおいてブランド・エクイティについて触れておかなければならない。
1990年代のマーケティング研究は、ブランド・エクイティ、ブランドの価値の構築というテーマに結びつくものが非常に多く、その一つのカテゴリーの中に数限りないブランドが存在し、それぞれ個性を競う状態ではここのブランドがどれだけの価値を提供できるかが消費者の選択基準となる。あらゆる業界の企業が自分たちの製品やサービスのブランド・エクイティを見直し、どのように育てて行くべき考え始めた時代であった。
しかし、その一方に於いては「価格破壊」という言葉が登場したように、消費者の価格感度を刺激したマーケティングも幅をきかせてきた時代であったことも事実である。メーカーサイドの理論でブランドの価値を訴えたとしても、
ブランドの構築についての一考察
はじめに
日々の消費行動に於いて、意識的であれ、無意識的であれ、ブランドという概念が大きな影響を与えていると考えられる。ブランドはラテン語のBurnedを語源とするものと言われているが、品物に印を付けることは古代ギリシャ時代からも行われており、「陶工のマーク」など品物の産地や出自を表す役割を果たしていた。14世紀頃から手工業ごとのマークが現れるが、これらはギルドによる粗悪品の出所追求と処罰のための統制手段であり、いわば、「生産組合のマーク」と言える。ブランドとは名前、シンボル、デザイン等の独自性とそれらの組合せによって得られる信頼性、固有の価値が与えうるイメージと一般的に定義される。そこで、ブランド構築をについて述べることとする。
第1章 ブランドの概念とその構築
第1節 ブランドの概要
ブランドの概要について述べるうえにおいてブランド・エクイティについて触れておかなければならない。
1990年代のマーケティング研究は、ブランド・エクイティ、ブランドの価値の構築というテーマに結びつくも...