2006/10/03
実験題目:pH 緩衝液
実験者:windowsxp
目的・緒言:通常、緩衝系は弱酸とそれらの酸の混合したものである。一般的な緩衝系の
式は以下の通りである。
[
]
[ ]
HA
A
pK pH
-
+ = log (Henderson -Hasselbalch の式)
この等式は pK の値を中心にして、
[
]
[ ]
HA
A
-
log の値の範囲、つまり
-
A
、
HA
の濃度変化によ
って決定することを意味する。また、 pH が pK と等しいとき、
[
]
[
]
HA A =
- が成り立って
いるため緩衝能の 50%が消費されていることになる。図 1 は pK が 6.8のリン酸緩衝液に
対する Henderson -Hasselbalch の式を図形化したものである。図から緩衝剤が効果的に作
用する pH 範囲は 1
±
pK 程度と分かる。よって生体において最適な緩衝系は体液の pH 範
囲の中心近くに pK をもつべきである。すなわち pK は 6.4と 8.4の間にあるのが良い。
しかし重炭酸―炭酸系は pK が 6.1であるにもかかわらず、生体において重要な緩衝系の
1つである。実験を通じて単純な緩衝系である
-2
4 HPO /
-
4 2PO H 系と比べながら重炭酸―
炭酸系の理解を深める。
- + - + «
2
4 4 2 HPO H PO H
[
]
[ ]
-
-
+ =
4 2
2
4 log
PO H
HPO
pK pH 8.6
=
pK
-
4 2PO H
-2
4 HPO
の割合 の割合
図 1.リン酸緩衝液の滴定曲線
材料:マグネチックスターラー、pH メーター、電子天秤、メスシリンダー、50ml ビーカ
ー、100ml ビーカー、マイクロピペット、NaCl、KCl、NaHCO 3、CaCl2、MgCl 2、グル
コース、5%CO 2/95%O 2 混合ガス、5M HCl
方法:
①下表にある細胞外液を模倣した組成を持つ溶液を 100ml 作製した。なお表の順に試薬を
調整した。作成後、 pH メーターで pH を測定した。
0 2 4 6 8 10 12 14
pH
100
100
0
0
塩基
の
添加
酸
の
添加
試薬 分子量(stock濃度)
mM 調整量
NaCl 58.44 115 672 mg
KCl 74.55 5 37 mg
NaHCO 3 84.01 25 210 mg
グルコース 180.16 10 180 mg
CaCl2 ( 1M ) 1 100μℓ
MgCl 2 ( 1M ) 1 100μℓ
②作製した溶液を 50ml とり軽く封をして、5%CO 2/95%O 2 混合ガスでバブリング(5 分以
上)した後 pH を測定した。
③さらに、最終濃度が 10mM になるように 5M HCl を 100μℓ 加え、10 分後 pH を測定
した。
結果:実験の pH 測定値と pH 理論値
※1)pH 測定値 ※2)pH 理論値
①作製した模倣細胞外液 8.0 -
②バブリング後 7.5 7.4
③HCl 滴下後 6.8 ※3)7.2 / 6.2
※1)使用した pH メーターの表示。
※2)有効数字 2 桁。
※3)開放系と仮定した値/閉鎖系と仮定した値
<理論値算出>
重炭酸―炭酸系
- + ® ® + ¾ ¾ ¬ ¾ ¾ ¬ + 3 3 2 2 2 HCO H CO
2006/10/03
実験題目:pH 緩衝液
実験者:windowsxp
目的・緒言:通常、緩衝系は弱酸とそれらの酸の混合したものである。一般的な緩衝系の
式は以下の通りである。
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HA
A
pK pH
-
+ = log (Henderson -Hasselbalch の式)
この等式は pK の値を中心にして、
[
]
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HA
A
-
log の値の範囲、つまり
-
A
、
HA
の濃度変化によ
って決定することを意味する。また、 pH が pK と等しいとき、
[
]
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HA A =
- が成り立って
いるため緩衝能の 50%が消費されていることになる。図 1 は pK が 6.8のリン酸緩衝液に
対する Henderson -Hasselbalch の式を図形化したものである。図から緩衝剤が効果的に作
用する pH 範囲は 1
±
pK 程度と分かる。よって生体において最適な緩衝系は体液の pH 範
囲の中心近くに pK をもつべきである。すなわち pK は 6.4と 8.4の間にあるのが良い。
しかし重炭酸―炭酸系は pK が 6.1であ...