「働く」という行為とは

閲覧数2,178
ダウンロード数23
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     立岩真也氏は『つよくなくてもやっていける』の本文の中で、働くという行為は「人が生存し生活するために必要な手段であり、基本的にはそれ以下でもそれ以上でもない」と述べている。私は、フリーター・ニートの拡大の背景には学校教育での進路指導の不備が要因として考えられると感じていた。というのも、従来の進路指導は「出口指導」や「振り分け指導」などに見られるように、教師側からの一時的で一方的な指導が行われてきたことを反省して児童・生徒の自己概念の確立や職業的自己実現を目指した指導へと移行しているということを大学の講義で学んだためである。
     マッチング理論(個人の能力や興味と職業をうまく合致〈マッチ〉させることによって、その個人の職業選択と成功が実現できるとする見方)1 に基づいて進路指導を行うと、人と職業の適合を重視できる反面、人にはその人に最適の仕事というものが存在していて、それを探してゆくのが進路指導であるようにも感じられてしまう。キャリアにおける自己実現や、現実の自己に着目せずに将来どういう自分になっていきたいのかと理想の自己のみに重点を置いた学校教育の進路指導が、自分と自分に適した職業の「赤い糸」を信じて職を転々としたり、職に就かなかったりする若者に通じているのだと考えていた。だから、理想の自己を求めることも当然重要なことだが、働くということはキャリアにおける自己実現という意味の他にも、立川氏が述べているように生活するための手段であると割り切って捉えることも忘れてはいけないし、また学校でそういう指導もされるべきだと思っていた。だが、フリーター・ニートの増大には本人たちの意識の問題では説明できないような社会的な要因があることを、現代社会関係論の講義で雇用機会の変容を学んだ際に知った。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    立岩真也氏は『つよくなくてもやっていける』の本文の中で、働くという行為は「人が生存し生活するために必要な手段であり、基本的にはそれ以下でもそれ以上でもない」と述べている。私は、フリーター・ニートの拡大の背景には学校教育での進路指導の不備が要因として考えられると感じていた。というのも、従来の進路指導は「出口指導」や「振り分け指導」などに見られるように、教師側からの一時的で一方的な指導が行われてきたことを反省して児童・生徒の自己概念の確立や職業的自己実現を目指した指導へと移行しているということを大学の講義で学んだためである。
    マッチング理論(個人の能力や興味と職業をうまく合致〈マッチ〉させることによって、その個人の職業選択と成功が実現できるとする見方)1 に基づいて進路指導を行うと、人と職業の適合を重視できる反面、人にはその人に最適の仕事というものが存在していて、それを探してゆくのが進路指導であるようにも感じられてしまう。キャリアにおける自己実現や、現実の自己に着目せずに将来どういう自分になっていきたいのかと理想の自己のみに重点を置いた学校教育の進路指導が、自分と自分に適した職業の「赤い糸...

    コメント1件

    herohero 購入
    参考になりました。
    2006/12/06 22:20 (17年12ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。