衛生化学実習⑦
油脂の化学的試験(酸価、エステル価)
油脂の変質試験(過酸化物価)
殺菌料(ヨウ素による定量)
実習日: 2006.12.19
油脂の化学的試験(酸価、エステル価)
目的
試料油脂の酸価を求め、以前求めたけん化価と併せエステル価を求める。
実験操作
試料5.02gにエタノール・エーテル混液(1:1)100mLに溶かし、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する淡紅色を呈するまで0.1mol/L KOH溶液で滴定した。
結果
酸価(mg/g)=a×5.611/試料採取量 ×F
=0.90×5.611×1.00/5.02
=1.006(mg/g)
エステル価(mg/g)=けん化価-酸価
=203.78-1.006
=202.774(mg/g)
油脂の平均分子量:エステル価=56×3×1000/M M:油脂の平均分子量
M=56×3×1000/202.774
=828.51(g/mol)
油脂の変質試験(過酸化物価)
目的
油脂の過酸化物価を測定する。試料は半年くらい前に用いたてんぷら油(ダイズ油 サラダ)を用いる。
実験操作
①200mLの三角フラスコを2個用意した。(本試験と空試験は同時に行うものとする。)
②試料1.03gを採取し、酢酸・クロロホルム混液(3:2)25mLに溶解させ、飽和ヨウ化カリウム溶液を1mLを加え、静かに振り混ぜたあと、暗所に正確に10分間放置した。
③水30mLを加えて激しく振り混ぜた後デンプン試液1mLを加え、ミクロビュレットを用いて0.01mol/L Na2S2O3溶液(f=1.00)で滴定した(a mL)。
④別に試料を用いずに同様の操作の空試験を行った(b mL)。
結果
過酸化物価(meq/kg)=(5.4-0.8)×1.00×10/1.03
=44.66(meq/kg)
考察
使ってからかなり日の経過したダイズ油(サラダ)だったため、酸価、過酸化物価ともに基準値よりかなり大きな値となった。過酸化物価の値はまだピーク値を超えていないので、時間がたつにつれてさらに値は基準値から離れると考えられる。また、前回実習で導いたけん化価の値が大きかったためエステル価の値も大きくなってしまった。
殺菌料(ヨウ素による定量)
目的
試料に含まれている殺菌料(過酸化水素)をヨウ素を用いて定量する。
実験操作
1)試料の調製(今回は調製済み)
試料を細切し、その40gに水60~80mLおよびシリコン樹脂1滴を加えて5~10分間ホモナイジズする。これを200mLの共せんメスシリンダーに洗いこみ、水を加えて200mLとしたのち、内容物につき遠心分離を行い、上澄液は必要があればろ過して試験溶液とする。
2)試験操作
①試験溶液50.0mLずつを200mL共せん三角フラスコAおよびBにとり、フラスコBに0.1%カタラーゼ溶液2mLを加え、ときどき振り混ぜて10分間放置した。このとき発泡するので注意した。
②各フラスコ中に10%。H2SO4 10mLおよび10%KI溶液10mLずつを加え、直ちに3%モリブテン酸アンモニウム溶液2~3滴加えて振り混ぜ、10分間暗所に放置した後、0.02N Na2S2O3溶液で滴定した。
このときAについての滴定値をV mLとし、Bについての滴定値をV0 mLとして過酸化水素濃度を求めた。
結果
H2O2濃度(mg/kg)=0.3402×(V-V0)×F×10
衛生化学実習⑦
油脂の化学的試験(酸価、エステル価)
油脂の変質試験(過酸化物価)
殺菌料(ヨウ素による定量)
実習日: 2006.12.19
油脂の化学的試験(酸価、エステル価)
目的
試料油脂の酸価を求め、以前求めたけん化価と併せエステル価を求める。
実験操作
試料5.02gにエタノール・エーテル混液(1:1)100mLに溶かし、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する淡紅色を呈するまで0.1mol/L KOH溶液で滴定した。
結果
酸価(mg/g)=a×5.611/試料採取量 ×F
=0.90×5.611×1.00/5.02
=1.006(mg/g)
エステル価(mg/g)=けん化価-酸価
=203.78-1.006
=202.774(mg/g)
油脂の平均分子量:エステル価=56×3×1000/M M:油脂の平均分子量
M=56×3×1000/202.774
=828.51(g/mol)
油脂の変質試験(過酸化物価)
目的
油脂の過酸化物価を測定する。試料は半...