ロンドン万博システムの近代性~分類のまなざし、規律、支配~

閲覧数2,416
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    ロンドン万博の近代性の中で特に顕著なのは、分類するまなざしと、規律的、支配的な態度である。本レポートでは、博覧会の展示物を消費する観覧者への近代的な分類と支配のシステムについて論ずる。主な参考文献は吉見俊哉の「博覧会の政治学」である。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ロンドン万博システムの近代性
    ~分類のまなざし、規律、支配~
     ロンドン万博の近代性の中で特に顕著なのは、分類するまなざしと、規律的、支配的な態度である。本レポートでは、博覧会の展示物を消費する観覧者への近代的な分類と支配のシステムについて論ずる。主な参考文献は吉見俊哉の「博覧会の政治学」である。
     「革命は、はるか昔の出来事のようであった。水晶宮の展示品の間を遊歩する六〇〇万の群集は、もはやあの四八年の氾濫する革命的群集ではなかった。」(吉見)これは、「博覧会の政治学」の中の一節であり、当時のイギリスの支配層やジャーナリズムが、万博会場において、労働者やならず者が反抗的な態度を取り、暴動を起こすのではないかと散々危惧したが、それが起こらなかったことをまとめているものである。
     万博の開催は、パリの二月革命、ベルリンやウィーンの三月革命、イギリス全土にひろがったチャーチスト運動から3年しか経っておらず、その危惧はあながち絵空事ではなかった。しかし、事実、博覧会の水晶宮内で会期中に起きた犯罪はスリ、スリ未遂、万引き、合わせて25件しかなかったと言われている。これは、博覧会を成立させている...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。