また、もう一つのQOL=Quality Of Love(愛の質)の観点からいっても、ピルは良き友だと言えると思う。というのは、コンドームのように行為を中断してセックスの雰囲気をこわすことなく避妊ができるということと、毎日決まった時間に飲まなくてはいけないピルは普段の生活に根付き、自分のライフサイクルの中に避妊が入り込んでくる。それによって、セックスにおいてだけでなく、単純な関係においての女性の主導権・自主権というものが確立されると思うからだ。コンドームのようには手軽で安価な避妊方法ではないが、全ての女性が自分の身を守るため、また生活の質や愛の質を向上させるため、上手く付き合っていければいいと思う。
避妊とQOL
この50年間に人間のライフスタイルは大きく変わった。身体の成長と性行動の開始が早くなり、産む子供の数は少なくなった。一方で高学歴化し、職業をもって社会参加するのが当たり前という風潮も現れた。寿命は飛躍的に延び、閉経後の人生は30年以上にも及ぶという。これらに伴い、長い人生をどうやって人生の質=Quality Of Lifeを保ちながら、または向上させながら豊かに生きるかが新しい課題となっている。「もしかして妊娠してしまったかも」という、一生に関わる不安を抱えて指折り待つ女性たちの不安、月経が始まりほっとする気持ちを考えれば、毎日きちんと飲めば100%ともいえる避妊効果を持つピル...