経営陣による将来見通し
<戦略のスパン>
Docutel社の社長であるジャックメルディスはDocutel社の短期的な問題解決能力には自信があったが、長期的な将来については心配していた。
<問題把握>
そのため、長期計画を定義する試みの一つとして、ビジネススクールに通う学生にDocutel社の分析を行うよう依頼した。学生によるインタビューでは、Docutel社製品普及のボトルネックの一つとして、R&D投資に対する外部からの不信感が存在することが明らかになった。
<長期的な戦略案:自社単独>
また、学生は以下の二つの選択肢を提示した。
1.市場開発・製品開発:ATM市場を開発し続け、かつPOS市場にも参入する。
2.市場浸透:現在のATMにとどまりつづける。
この二つの選択肢を分析したのち、POS市場はDocutel社にとって利益の確保が保証されている分野ではないことを明らかにした。システム全体を供給しているようなより大きな企業によってPOS市場が支配されると考えたのである。Docutel社はこのような経営資源をもっていなかった。
■POS機能の定義の仕方による...