「人間は考えることのできる機械(人工知能)を作れるのか」ということを考えると、まず「考える」ということ、つまり「思考」というものをどう捕らえればいいのか考えなければならない。ここでは「唯物論」という思想から見た「思考」について考えたいと思う。
まず最初に、唯物論とは一体どういう思想なのだろうか。国語辞書『大辞林』によると物質を根本的実在とし、精神や意識をも物質に還元してとらえる考え。
「人間は考えることのできる機械(人工知能)を作れるのか」ということを考えると、まず「考える」ということ、つまり「思考」というものをどう捕らえればいいのか考えなければならない。ここでは「唯物論」という思想から見た「思考」について考えたいと思う。
まず最初に、唯物論とは一体どういう思想なのだろうか。国語辞書『大辞林』によると
物質を根本的実在とし、精神や意識をも物質に還元してとらえる考え。唯物論的思想は古代ギリシャ初期、中国・インドなどにも現れているが、近代以後では一八世紀フランスの機械的唯物論、一九世紀のマルクスの弁証法的唯物論などが代表的。マテリアリズム。
と書かれている。つまり、精神や心などの「目には見えないもの」を信じない、という思想である。さらに、これに関連する思想で「機能主義(行動主義)」という思想がある。この思想は、例えばAさんは雨が降っている様子を見て「傘を差そう」と思い、「傘を差す」という行動を起こしたとする。こうすることによって初めて、第三者が見て「Aさんは傘を差したのだから傘を差そうと思ったに違いない」というのが分かる。つまり、このように第三者が見て分かる「目...