決算修正の必要性について説明いたします。
まず、決算とは、会計帳簿に記録計算された営業取引の結果を損益計算の 視点より整理して一会計期間における企業の経営成績と一定時点における企業の財政状態を算出する手続きである。
商法における決算は、商人が「開業ノ時及毎年一回一定ノ時期ニ」と規定し、一年を超えない範囲で決算を行う。
決算修正とは、会計年度末に期間損益計算の点から、資産、負債、収益、費用の勘定を会計事実に一致させるために整理・修正する手続きを言う。
基本的な決算修正事項として、(1)売上原価の算定,(2)貸倒引当損の計上,(3)減価償却費の計上,(4)経過勘定の処理について説明する。
(1)売上原価の算定について・・通常の場合、商品売り上げの記録は、商品を販売した時点で売上原価と販売損益とを区別しないで売上金額で行われる。
その為に、個々の売上原価が把握できないので、決算末期に棚卸計算法を用いて期間原価を算定する。
売上原価=期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高
(2)貸倒引当損の計上について・・ 信用取引において、ビジネス・マンは債権が全額回収されると考えず、必ずなんパーセントかの貸...