幼児の生き生きとした造形活動を促す導入時の『言葉かけ』『環境設定』のあり方について述べよ。実際に製作し、させた経験、身の回りで見聞きした子どもの事例を挙げながら述べること。
幼児の遊びの中には造形に関わる活動が多く見られる。造形遊びが大好きな理由は、自分の心に秘めた思いを、自分の手で外部に表現することで、自己伝達などをすることの喜びを味わうことができるからである。
幼児は、自然に表現活動をしている、本能的に遊びを展開するなどと言われているが、その状況は信念や意欲によって支えられているものではない。表現活動に自然に入っていくための環境設定や心の状況を、先に作っていかなければならないのである。更に、活動に入っても精神的、身体的な不安感、疲れなどを克服して、表現活動を保つためにも、共感し、支援していく心配り、援助の手立てを絶やさぬようにしなければならないのである。
では、造形活動を行う際に私たち保育者が重要視しなければならない「導入」について述べていく。
導入とは、幼児が造形活動を行う時の動機づけとも言うことができる。これは、指導の過程の中でも、その造形活動の成功を左右するもので、そ...