「現代の道徳教育の課題について述べよ」
1はじめに
道徳教育とは、次の世代を担っていく子ども達に、人間としてふさわしい社会規範を身に付けさせることである。また子ども一人一人が、幸せになることを前提として、子ども達の持っているさまざまな豊かな能力を見つけ、それを伸ばすことが必要となってくる。その能力は、知識・情操・身体の三領域からなっていて、道徳教育はそれらの調和のための教育とも言える。要するに、道徳教育とは生きる力(知・徳・体のバランスのとれた力)の育成である。現代の道徳教育の在り方を考察し、そして、課題について探る。
2教育課程の改善について
平成10年に改訂された小学校学習指導要領解説(総則編)(平成11年、文部科学省)の第1章総説、(2)改訂の基本方針では、三つの問題点が挙がっている。1つ目は、計算や技能や文章を読み取る力などは、比較的よく身についており、学習に対する関心や意欲も高いが、一方で文章表現力や、論理的な思考力は、やや弱いこと。2つ目は、算数科や理科の学力は高い水準にあるが、一つの正答を求めることができても多角的なものの見方や考え方が十分ではないこと。3つ目は道徳教育についてだが、十分な時間が確保されていないことと、道徳に対して興味や関心を持っている生徒の割合は学年が上がるに従って低下していることである。そこで、これからの学校教育は、道徳教育を中核に位置付け、充実させていかなければならないとされた。教育方法の具体的な、改善案について考察する。
①豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。
道徳教育や特別活動等におけるボランティア活動や自然体験活動などの体験的な活動の充実をすること。道徳教育における、低学年の善悪の判断や社会生活上のルールなど重点的な指導の工夫をすること。障害のある人々との交流の推進をすること。第3学年からの保健学習の導入など、心身の健康に関する教育の充実をすること。社会科における人物・文化遺産中心の歴史学習の徹底をすること。
②自ら学び、自ら考える力を育成すること。
これからの学校教育においては、多くの知識を教え込む教育を転換し、生徒に自ら学び自ら考える力を育成することを重視すること。
③ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎基本の教育の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること。
完全学校週5日制を円滑に実施し、生涯学習の考え方を進めていくため、ゆとりのある教育活動が展開される中で、児童が基礎基本をじっくり学習できるようにすると共に興味や関心に応じた学習に主体的に取り組むことができるようにすること。
たとえば、土曜日や日曜日に学校外の学習機関が提供する学習に興味を持つ子どもは参加できる。そして、学んだことを学校に持ち帰り、発表・提供することで皆の共通財産にすることができる。また、インターネットを使うことで、これまで簡単に知り得なかった情報を使った学習が期待できる。
これらの学びは、相互に助け合う共同学習を基本とするものであり、さまざまな対象とじっくり関わる学習を通して、豊かな道徳性が育まれる。
④各学校が創意工夫を生かし特色ある、学校作りを進めること。
「総合的な学習の時間」を創設し、各学校が創意工夫を生かした教育活動を展開できるようにすると共に、各学校が創意工夫を生かして時間割を編成することがで
きるように授業時数の運用をすること。
総合的な学習の時間とは、人間として、生きるとはどういうことかを、具体的な生活体験を通して学び身に付けていく時間である。一言で言
「現代の道徳教育の課題について述べよ」
1はじめに
道徳教育とは、次の世代を担っていく子ども達に、人間としてふさわしい社会規範を身に付けさせることである。また子ども一人一人が、幸せになることを前提として、子ども達の持っているさまざまな豊かな能力を見つけ、それを伸ばすことが必要となってくる。その能力は、知識・情操・身体の三領域からなっていて、道徳教育はそれらの調和のための教育とも言える。要するに、道徳教育とは生きる力(知・徳・体のバランスのとれた力)の育成である。現代の道徳教育の在り方を考察し、そして、課題について探る。
2教育課程の改善について
平成10年に改訂された小学校学習指導要領解説(総則編)(平成11年、文部科学省)の第1章総説、(2)改訂の基本方針では、三つの問題点が挙がっている。1つ目は、計算や技能や文章を読み取る力などは、比較的よく身についており、学習に対する関心や意欲も高いが、一方で文章表現力や、論理的な思考力は、やや弱いこと。2つ目は、算数科や理科の学力は高い水準にあるが、一つの正答を求めることができても多角的なものの見方や考え方が十分ではないこと。3つ目は道徳教...
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