電力応用工学課題-熱電編-
1.電気加熱の特徴をあげよ。
電気加熱には、抵抗加熱、アーク加熱、誘導加熱、誘電加熱がある。
また電気加熱は、直接抵抗加熱(燃料の燃焼による)に対して、
・高温が得られる(例:アーク加熱)
・任意の加熱部位(内部、外部、局部)が選べ、急速かつ均一に加熱が可能
・炉気制御が容易
・熱効率が高い
・加熱温度、時間の制御が容易
・操作が容易
・装置が簡単
・製品の品質が向上
などの利点を持っている。
2.発熱体の必要とする条件について述べよ。
低効率の大きさ
最高使用温度が高いこと
腐食性がないこと
3.[加熱方式]と最も関係の深い[用途]との関係
[加熱方式] [用途] 直接抵抗加熱 鋼材の表面焼入れ 間接抵抗加熱 ビニールの接着 誘導加熱 カーバイドの製造 誘電加熱 原子水素溶接 アーク加熱 金属の焼鈍 鋼材の表面焼入れ
高周波を用いて表皮効果により表面のみを焼入れすることができる。周波数によって、表皮の深さを制御できる。
ビニールの接着
絶縁性の物質より、直接電気を流すことはできない。
カーバイドの製造
石灰石と石炭の混合物に電流を流すことにより生成される。三相交流で行うことが多い。
原子水素溶接
交流アーク中に水素ガスを送ると水素分子が解離し、溶接母材に触れると再結合し解離熱を放出する。
金属の焼鈍
抵抗に電流を流し、金属の抵抗による発熱で金属自身を熱する。
4.安定なアーク放電の持続のためには、安定器が必要であることを、図1を用いて示せ。
また、電源が、直流の場合と、交流の場合では、安定器として、何を用いているか。
図1アーク放電の電気的特性より読み取れるように、アークの端子電圧が上がるとアーク電流が下がる、端子電圧が下がるとアーク電流が上がるという特性を持っており、これを負性抵抗特性と呼んでいる。このため、
[電圧上昇]→電流減少→電圧上昇……→アーク消滅
[電圧減少]→電流上昇→電圧減少……→電源破壊
という流れを繰り返すため、安定なアーク放電を持続させるには、安定器が必要となる。
安定な放電を持続するためには電流制限用安定器を必要とする。直流の場合は抵抗、交流の場合は主にリアクタンスで構成される。
図1 アークの電気的特性
5.電気回路と熱回路の表1を埋めろ。それぞれに、適当な用語、単位、または関係式を書け。
表1 電気回路と熱回路の対応
電気回路 熱回路 電位差 V[V] 温度差 θ[℃] 電気抵抗 R[Ω] 熱抵抗 R[℃/W] 電流 I[A] 熱流 I[W] (オームの法則) (熱オームの法則)
θが比較的小さいとき、対流による放散がその大部分を占め、θが大きくなると、放射による熱放散が大半を占める。また、対流による熱放散は、θの大小にかかわらず熱オームの法則が成り立つが、放射による熱放散はθがまわりの温度t0に対して十分小さいときに成り立つ。
6.以下の問に答えよ。
(1)抵抗R[Ω]の導線に電圧E[V]をt[分]間印加した場合に発生する熱量[kcal]の式を示せ。
(2)長さ6[m]、直径0.06[cm]のニクロム線に5[A]の電流が5[s]流れた場合に発生する熱量[kcal]はいくらか。ただし、ニクロム線の低効率は120[μΩ・cm]とする。
抵抗
よって、
より、熱量[kcal]は、
(3)温度t[℃]の物体がある。その周辺温度t0[℃]である場合、この物体から周囲へ流出する熱量I[W]の式はどのように表されるか。
ステファン・ボルツマンの
電力応用工学課題-熱電編-
1.電気加熱の特徴をあげよ。
電気加熱には、抵抗加熱、アーク加熱、誘導加熱、誘電加熱がある。
また電気加熱は、直接抵抗加熱(燃料の燃焼による)に対して、
・高温が得られる(例:アーク加熱)
・任意の加熱部位(内部、外部、局部)が選べ、急速かつ均一に加熱が可能
・炉気制御が容易
・熱効率が高い
・加熱温度、時間の制御が容易
・操作が容易
・装置が簡単
・製品の品質が向上
などの利点を持っている。
2.発熱体の必要とする条件について述べよ。
低効率の大きさ
最高使用温度が高いこと
腐食性がないこと
3.[加熱方式]と最も関係の深い[用途]との関係
[加熱方式] [用途] 直接抵抗加熱 鋼材の表面焼入れ 間接抵抗加熱 ビニールの接着 誘導加熱 カーバイドの製造 誘電加熱 原子水素溶接 アーク加熱 金属の焼鈍 鋼材の表面焼入れ
高周波を用いて表皮効果により表面のみを焼入れすることができる。周波数によって、表皮の深さを制御できる。
ビニールの接着
絶縁性の物質より、直接電気を流すことはできない。
カーバイドの製造
石灰石と石炭の混合物に電流を...