はじめに、子どもたちを取り巻く生育環境の変化を見ると、そこには種々の問題が山積している。近年、朝食を取らない、生活が夜型化した子どもの増加、子どもたちの運動の機会の減少、実体験の欠如、内遊び・1人遊びが増えたことなどが指摘されている。これらは、子どもの心身の発達に大きな影響を及ぼしており、こういった生育環境の変化から、食習慣の乱れや慢性的な睡眠不足が見られる子どもが増加し、運動能力・体力の低下が現れ、社会性、協調性を欠いた子どもが多くなった。そして、キレる、ムカつくなどのイライラ感が強い子どもを生み出し、また、無気力さや意欲・耐性の低下を起こし、学級崩壊や十分な学力を身に付けられないなどの問題を引き起こしていると考えられる。
子どもたちの日常生活や心身の発達を考えたとき、近年、特に、大きな影響を及ぼしているのが、電子メディアである。子どもたちのまわりには、携帯電話、テレビ、テレビゲーム、パソコンなど、たくさんの電子メディアが溢れている。子どもたちは、ひとたび、こうした環境に慣れると、子どもたちにとってそこが一番の安住の地になってしまう。あえて外に出て行かなくても、部屋の中でそれなりに楽...