全人教育における自然尊重の教育的意義

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    「自然」という言葉には、様々な意味がある。実に多義的であり、それが人間の本来あるべき姿、何からも影響されない真の姿としての内的自然を意味する場合や、山、野原、川、海などの美しい地球環境そのものとしての外的自然を意味する場合がある。その中でも、小原國芳のいう、全人教育における自然尊重の「自然」とは、今述べた後者の外的自然の方を意味する。そして自然尊重の教育とは、次のような考え方に基づく。雄大な自然はそれ自体が偉大な教育をしてくれる存在であり、またこの貴重な自然環境を私たちが守らなければならないことを教えることも、また大切な教育だということである。この自然尊重の教育は、小原國芳の掲げる「12の教育信条」の一つとしても含まれている。
    一方「全人教育」とは、「真」、「善」、「美」、「聖」、「健」、「富」の、6つの価値の創造にあり、それらはすなわち、「学問」、「道徳」、「芸術」、「宗教」、「健康」、「生活」の6方面の人間文化を調和的に豊かに形成することをいうのである。従って、全人教育における自然尊重の教育でも、これらの価値を創造することを目的とし、それがどのような方法によるものかを述べていくこと...

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