新学習指導要領のねらいとする理科教育の在り方
に関する研究
提供機関 : 愛知県総合教育センター
提供機関 URL : http://www.apec.aichi-c.ed.jp/kennkyuuHP/94syuu/jujituWeb/top.htm
− 理科における「確かな学力」育成のために −
平成13年の文部科学省初等中等教育局長通知により新しい評価の在り方が示された。また,平成15年度から学年進行で実施されている新学習指導要領では「確かな学力」の育成が求められている。そこで「高等学校教科指導の充実に関する研究(理科)」研究会において,目的意識をもった効果的な観察や実験を重視し,問題解決的な学習や体験的な学習を積極的に推進する立場からの教材開発と,開発した教材を通した目標準拠評価への取組を提案し,理科における「確かな学力」を付ける手だてを研究した。
<キーワード> 高等学校 理科 物理 化学 生物 観点別評価 絶対評価 年間指導計画 学習指導案 シラバス 評価計画 生徒実験 探究活動 興味 関心
【 はじめに 】
平成14年度高等学校教育課程実施状況調査結果によれば,理科においては「観察や実験の結果やグラフを読み取り,思考・判断する力が不十分で,目的意識をもった効果的な観察や実験を行う指導やデータを正しく読み取る指導が必要」との指摘がされた。
また,新学習指導要領が昨年度から学年進行で実施され,併せて,平成13年4月27日付けの文部科学省初等中等教育局長通知により新しい評価の試みがすでに行われている。これは,学習指導要領に示された目標に照らしてその実現状況を見る目標準拠評価(いわゆる絶対評価)を一層重視し,観点別学習状況の評価を基本として,生徒の学習到達度を適切に評価していこうとするものである。さらに,学習指導の計画を立て,実践し,その過程や成果を評価し,以後の指導や評価の改善につなげる「指導と評価の一体化」も求められている。したがって,各学校では生徒や地域の実態に応じて,評価規準の作成,年間学習指導計画や学習指導案への評価計画の盛り込み,評定への総括方法の研究,及び高等学校設置基準の改定により積極的な情報公開への取組としてシラバスの作成などが求められるに至った。
そこで,本研究では,目的意識をもった効果的な観察や実験を重視し,問題解決的な学習や体験的な学習を積極的に推進する立場からの教材開発と,開発した教材を通した目標準拠評価への取組を提案し,「確かな学力」を付ける手だてを探る。
【理科における評価について】
1 新学習指導要領のねらい 〔平成11年3月29日〕
新学習指導要領の基本的なねらいは「生きる力」の育成にある。各学校では,家庭,地域社会との連携の下,「生きる力」を知の側面からとらえた「確かな学力」育成のための取組の充実が必要である。
2 教育課程審議会の答申 〔平成12年12月4日〕
「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」の中で
学力については,知識の量のみでとらえるのではなく,学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けることはもとより,それにとどまることなく,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかによってとらえる必要がある。
3 文科省初等中等教育局長通知 〔平成13年4月27日〕
各教科・科目の評定は,各教科・科目の学習についてそれぞれ5段階で表し,5段階の表示は,5,4,3,2,1とする。その表示は,高等学校学習指導
新学習指導要領のねらいとする理科教育の在り方
に関する研究
提供機関 : 愛知県総合教育センター
提供機関 URL : http://www.apec.aichi-c.ed.jp/kennkyuuHP/94syuu/jujituWeb/top.htm
− 理科における「確かな学力」育成のために −
平成13年の文部科学省初等中等教育局長通知により新しい評価の在り方が示された。また,平成15年度から学年進行で実施されている新学習指導要領では「確かな学力」の育成が求められている。そこで「高等学校教科指導の充実に関する研究(理科)」研究会において,目的意識をもった効果的な観察や実験を重視し,問題解決的な学習や体験的な学習を積極的に推進する立場からの教材開発と,開発した教材を通した目標準拠評価への取組を提案し,理科における「確かな学力」を付ける手だてを研究した。
<キーワード> 高等学校 理科 物理 化学 生物 観点別評価 絶対評価 年間指導計画 学習指導案 シラバス 評価計画 生徒実験 探究活動 興味 関心
【 はじめに 】
平成14年度高等学校教育課程実施状況調査結果によれば,理科においては「観察や実験の結果やグラフを読み取り,思考・判断する力が不十分で,目的意識をもった効果的な観察や実験を行う指導やデータを正しく読み取る指導が必要」との指摘がされた。
また,新学習指導要領が昨年度から学年進行で実施され,併せて,平成13年4月27日付けの文部科学省初等中等教育局長通知により新しい評価の試みがすでに行われている。これは,学習指導要領に示された目標に照らしてその実現状況を見る目標準拠評価(いわゆる絶対評価)を一層重視し,観点別学習状況の評価を基本として,生徒の学習到達度を適切に評価していこうとするものである。さらに,学習指導の計画を立て,実践し,その過程や成果を評価し,以後の指導や評価の改善につなげる「指導と評価の一体化」も求められている。したがって,各学校では生徒や地域の実態に応じて,評価規準の作成,年間学習指導計画や学習指導案への評価計画の盛り込み,評定への総括方法の研究,及び高等学校設置基準の改定により積極的な情報公開への取組としてシラバスの作成などが求められるに至った。
そこで,本研究では,目的意識をもった効果的な観察や実験を重視し,問題解決的な学習や体験的な学習を積極的に推進する立場からの教材開発と,開発した教材を通した目標準拠評価への取組を提案し,「確かな学力」を付ける手だてを探る。
【理科における評価について】
1 新学習指導要領のねらい 〔平成11年3月29日〕
新学習指導要領の基本的なねらいは「生きる力」の育成にある。各学校では,家庭,地域社会との連携の下,「生きる力」を知の側面からとらえた「確かな学力」育成のための取組の充実が必要である。
2 教育課程審議会の答申 〔平成12年12月4日〕
「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」の中で
学力については,知識の量のみでとらえるのではなく,学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けることはもとより,それにとどまることなく,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかによってとらえる必要がある。
3 文科省初等中等教育局長通知 〔平成13年4月27日〕
各教科・科目の評定は,各教科・科目の学習についてそれぞれ5段階で表し,5段階の表示は,5,4,3,2,1とする。その表示は,高等学校学習指導要領に示す各教科・科目の目標に基づき,学校が地域や生徒の実態に即して設定した当該教科・科目の目標や内容に照らし,その実現状況を総括的に評価して,「十分満足できると判断されるもののうち,特に高い程度のもの」を5,「十分満足できると判断されるもの」を4,「おおむね満足できると判断されるもの」を3,「努力を要すると判断されるもの」を2,「努力を要すると判断されるもののうち,特に程度の低いもの」を1とする。評定に当たっては,ペーパーテスト等による知識や技能のみの評価など一部の観点に偏した評定が行われることのないように,「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の四つの観点による評価を十分踏まえながら評定を行っていくとともに,5段階の各段階の評定が個々の教師の主観に流れて客観性や信頼性を欠くことのないよう学校として留意する。その際,別添3に各教科の評価の観点及びその趣旨を示しているので,この観点を踏まえながらそれぞれの科目のねらいや特性を勘案して具体的な評価規準を設定するなど評価の在り方の工夫・改善を図ることが望まれる。
4 高等学校設置基準の改正 〔平成14年4月1日〕 / 〔平成16年4月1日〕
○自己評価等(第3条)
(第1項) 高等学校は,その教育水準の向上を図り,当該高等学校の目的を実現するため,当該高等学校の教育活動その他の学校運営の状況について自ら点検及び評価を行い,その結果を公表するよう努めるものとする。
(第2項)上記の点検及び評価を行うに当たっては,適切な項目を設定して行うものとする。
学校で行った指導と評価の一連の活動とその成果を評価し,その改善を図っていくことは,学校評価の観点から極めて重要である。各教科・科目の目標やねらいの達成を目指した学習活動の成果として,生徒にどのような学力が身に付き,どれだけ学力を向上させることができたのか,また,評価規準や評価基準,評価方法が適切であったかなどを具体的に把握し,評価することが必要である。こうした評価の結果を踏まえ,生徒の学力をより一層伸長するための課題を明確にして,その改善策を検討し,実施していくことが大切である。
○情報の積極的な提供(第4条)
高等学校は,当該高等学校の教育活動その他の学校運営の状況について,保護者等に対して積極的に情報を提供するものとする。
第3条において,自己評価の実施,およびその結果の公表に努めること,また,学校の情報を保護者あるいは地域の方々に対して積極的に提供することなどの規定がなされた。各学校においては,学校の裁量権が拡大される中,学校の教育水準の向上をはかり,保護者などに対して学校としての説明責任を十分に果たしていくことが,より重要になっていることを踏まえ,自己評価と情報提供がその趣旨に沿って効果的に行われるよう,その具体的な方法について不断に改善をはかりながら,教育水準の向上につなげる必要がある。
5 高等学校における評価
評価に関する課題
ア 知識・理解の評価に重点が置かれがちで,関心・意欲・態度や思考力,判断力,表現力などについての評価が十分なされない傾向があった。
イ 生徒の評価結果が後の指導に十分に生かされない傾向があった。
ウ 学習指導計画に対する評価計画が明確でなく,学期末などの特定の時期での評価が中心となる傾向があった。
エ 評価方法や評価規準等について,生徒や保護者にきちんと説明されていない傾向にあった。
オ 生徒一人一人のよい点や可能性,進歩の状況等を適切に継続的に評価する,いわゆる個人内評価の実施や活用が十分に図られていない傾向にあった。
カ 同一科目であっても,担当教員によって評価規準や評価方法等が大きく異なるなど,教員相互の共通理解が十分に図られていない傾向にあった。
キ 評価に関する校内研修が行われることが少なく,評価についての教員の課題意識が,十分でない傾向があった。
↓
→
目標に準拠した評価(絶対評価,観点別評価)へ。ただし,相対評価にも利点はあり,場面に応じて副次的に併用することも必要と考えられる。
これからの評価の在り方
・評価規準作成 (※国立教育政策研究所資料参照)
評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参考資料(高等学校)
・年間学習指導計画作成 − 評価計画の盛り込み(年間学習指導計画表参照)
・年間学習指導計画に基づく各時間の指導計画の作成(2年物理?学習指導案参照)
・観点別評価の評定への総括(全教科科目の問題,学校としてどうあるべきか)
・生徒に対する評価とともに,その授業自身の評価(指導と評価の一体化)→ 学校評価の一部
・情報公開,発信(シラバス,学校新聞等,インターネット等で)
情報提供先 -> http://www.apec.aichi-c.ed.jp/kennkyuuHP/94syuu/jujituWeb/top.htm