18世紀においてイギリスが他国に先駆けて小説を生み出したのはなぜかイギリスの歴史とそれが生み出す社会を考察しつつのべよ。
イギリスの歴史を考える際に、歴史や文化に深い関わりがある自然にも注目しなければならない。イギリスは大きく二つに分けられる。肥沃なパリの延長といわれ、比較的暖かく乾燥して農耕、交易が盛んである東南部平地。それと、寒冷で湿潤であり、産業や交易に賑わない北西丘陵地である。故に、北西部丘陵地が古い文化様式が維持される傾向が強く、ケルト文化も今なお存在している。それに対して、東南部平野は、人々の出入りが激しく、文化様式、生活様式の変化は激しい、また、ラテン文化やゲルマン文化の両方の地域に直面しており、その両文化の諸要素をとりいれ、独自の文化を形成していくのである。その上、イギリスは日本と同じように島国であり、ヨーロッパ大陸の変動や変革からイギリスを守ったことがしばしばあって、それがイギリスの自由の温床となった。
今日のイギリスは、古代から中世にかけていろいろな民族が波状的に移動してきて、その外来民族の融合によって成立した。紀元前6世紀頃はケルト民族が全島を占領していた。彼ら...