認知症(痴呆)の高齢者への対応の仕方として、ある事例をもとに以下で検討していく。
認知症(痴呆)とは、医学定義として、発達過程で獲得した知能・記憶・判断力・理解力・抽象能力が低下することをいう。これによって、言語・認識・見当識・感情・意欲・性格・行為能力の異常が現れてくるが、その言動を叱ることは効果がないとされている。したがって、認知症患者の問題行動を受容し、叱るのではなく、納得させながら本人の持てる能力を引き出すことを考える必要がある。
Uさんの場合、認知症の進行により、性的関心が高まるという異常が生じている。よって、介護者はUさんと同性の者を担当にするか、もしくは同性・異性のペアで...