「国際理解教育について述べよ。」
戦後、高度成長期の中で国際化、グローバル化が急速に進展し国際貢献・国際協力推進を図ることが要求され始めた。国際社会で生きていくため、国際連合とともに歩むことが我が国の進むべき道であるとし、ユネスコ憲章の精神に基づき、国際理解教育を進めることとなる。
誰もが平和で公正な世界を願っていながら、私たちの住む地球は戦争、貧困、開発、差別、人権、環境問題など様々な問題を抱え続けている。「国際理解教育」は、このような地球的規模の課題に対し、
(1)世界の現状を「知る」
(2)課題に「気づき考える」
(3)自分にできることを「実行する」
というプロセスで学習に取り組む教育のことであるといえる。このような参加体験型・課題解決型の学習を通して、「多文化共生の理念」を育み、平和で公正な地球社会作りに参加する態度を養うことを目的としている。ここで重要なことは知識だけを得るだけでなく、「考える力」・「実行する力」・「他を思いやり理解し合おうとする態度」を養うことである。教育の現場においては、全ての教科が自己理解につながるものであるならば、他者理解を通じて自己理解を図ること...