法哲学レポート
1 法と道徳
(1)法と道徳(倫理)はいかなる点において同じで、違うものか。法と道徳を巡る様々な立場を参考にしながら、自説を述べていきたい。
まず法と道徳を比較考量するためにそれぞれの定義について考えていく。法というものを簡単に定義すると、「秩序のために作られた人の行動を規律するルール」と言える。社会集団の中で共存していくためには一定のルールを作り、その社会集団の構成員がそれを共通して遵守する事が必要であるルール遵守を維持していくためには、他人に強調しないでルールを乱し、また、ルールに従って生活している人に危害を加えるような者に対する制裁、ルール遵守の強制、などの法的サンクションの他に、それらを行うためのルールを定めてある刑事訴訟法や民事訴訟法などの『手続法』などがある。そして道徳には『宗教』や、心情でお年寄りに席を譲るといったものなどがある。しかし、ここで席を譲らなければ周りから白い目で見られるかもしれないが、法的サンクションの対象とはならない。
一方、『人を殺してはいけない』、『約束は守るべきである』といった要請も道徳ではあるが、これらは国家が各個人に禁止を強制す...