三島由紀夫 英霊の聲

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    三島由紀夫に関するレポート 
    『英霊の聲』     
     三島由紀夫について読んだのは今回のこの『英霊の聲』が初めてであった。擬古文であったので、読みにくさを感じたが、三島の想いというものを感じた。それは「青年将校と天皇」に対しての感情である。この話は一般的に二・二六事件の主犯格だった磯部浅一一等主計が霊として降りてきて語るというものであるが、その磯辺は三島から「事件の体現者」と扱われていた。逆臣として銃殺された執念に満ちている青年将校の挫折と失意をうまく表現していると感じた。
    初めて授業でこの小説を聞いたときは社会と人を憂えている人の言葉であると感じた。実際にこの小説を読んでみるとそれに近いものであり、霊の天皇に対する気持ちが述べられていた。その中で特に注目したところは、「喜びと至福の死」である。簡単に言ってしまえば、神(天皇)によって処刑されることが最高の幸福であり、それによってその人は「天皇と一体に」なることができるというものだ。彼らにはそうして死ぬ瞬間が最も天皇に近づくことができるのである。522頁(すべて三島由紀夫全集17巻の頁数に従う)には「いひしれぬ怒りと嘆き」、525頁に...

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