刑事訴訟法候補問題解答案2

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    刑事訴訟法 候補問題解答案②
                     ~逮捕・勾留~
    本問では、被疑者が任意同行後事情聴取を受け、6時間経過した後通常逮捕され、その23時間後に検察官送致及び勾留請求がなされている。
     任意同行の時点で、緊急逮捕(刑訴法210条)の要件、つまり、嫌疑の充分性、逮捕の緊急性、犯罪の重大性が認められる。つまり、犯罪が窃盗罪である点、手配人物と酷似している点、被疑者が検問を突破し逃げ出している点を考慮して上記3つの要件が満たされていると考えられる。
     したがって、本問では緊急逮捕をするべきだったにもかかわらず、それをせずに任意同行を求めたことは令状主義に反するので違法であり、この任意同行は実質上の逮捕と評価される。
     違法逮捕と勾留の関係であるが、違法逮捕後の勾留は原則認められない。なぜなら、逮捕が違法であればそもそも逮捕できず、身柄が釈放されるので、勾留請求できないからである。
     この点を本問に当てはめ、本件勾留請求はできないように思われる。しかし、本問では、実質上の逮捕後6時間後には通常逮捕がなされていること、刑事訴訟法203条に規定する時間制限内に勾留請求がなされていることから、実質的逮捕の違法性が勾留を違法ならしめるほど重大であるとまではいえない。そもそも、違法逮捕後の勾留が認められない根拠は、適法に逮捕できないにもかかわらず逮捕してしまった場合を想定しているため、本問のように逮捕できるにもかかわらずしなかった場合とは事案をことにする。よって、例外的に本問の勾留請求は認められるとするのが妥当である。
    以上

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