第二次大戦後の世界経済は市場経済圏の先進諸国を中心に急激な成長をとげてきた。これは両大戦間期、こと1930年代に世界経済が最も不安定だった時期とは対照的である。
第一次大戦の敗戦国であるドイツに課された支払い能力を無視した巨額な戦後賠償や連合国に対する戦時債権処理のまずさが両大戦期の政治・経済に大きな悪影響を与えていた。そして当時最大の債権国であったアメリカは両大戦期の世界経済運営に対し、自国の利益を最優先する無責任な態度を取っていた。
第二次大戦後アメリカは、戦前の反省から合理的な戦後処理を強力に指導した。自国の戦時債権の大部分を放棄し、戦後賠償も要求しない方針で臨み、さらにドイツ経済の混乱と復興の遅れがファシズムの勃興を許したという反省からマーシャル援助という、敗戦国をも含む巨額な経済援助を提供した。また圧倒的な経済力・政治力を背景にIMF・GATT体制を主導した。
この対欧州援助として行われたマーシャル援助の受け入れ窓口としてOEECが作られた。戦後西欧各国はアメリカに対する大幅な輸入超過に悩んでおり、域内貿易を盛んにしてお互いに需給を充たすことが必要だった。こうしてOEE...