現在、生徒の社会科に対する人気は好ましくない。社会科を「暗記科目」と考える生徒が多いからである。なぜ生徒は社会科を「暗記科目」と考えるのか。それは、生徒は大学入試を頂点とする教育システムの中に組み込まれ、テストには人物名、年号、地名等がでることが多く、そのテストでいい点数を取るためにそれらを覚えさせられるからである。また、社会科の授業は、教師が教科書の内容を一方的に説明することが多く、授業がつまらないと考える生徒も多い。そのような状況において、望ましい授業とはどのような授業であろうか。
望ましい授業とは、ただ単に教師が教科書の内容や資料を説明し、生徒にそれを暗記させ、試験でよい点数をとらすことではない。もちろん、必要な知識は暗記をする必要があるが、生徒がテストのために漠然と覚えた知識はすぐに忘れやすい。また、大学入試を頂点とする教育システムは少子化などの影響により、近い将来大学全入時代に入るといわれる。よって、受験のために暗記をするという理由は今後通用しないし、たとえ覚えたとしてもそれらを活用すること出来なければ無意味なのである。
授業の目的は、社会科教育の目標および各分野の目標...