保育の中で子どもの発達を捉える際に留意する点について述べよ。
これまでの発達の考え方の中では、発達段階が中心的位置をしめてきていた。子どもの発達について知ることは、直線時間軸に沿った行動の変化を知ることを意味してきていたのである。そして、その変化は、単に量的に変わるだけではなく、質敵意変わる節目に注目してきていた。
従来の心理学においては、「発達は固体と環境との継続的な相互交渉を通して、さまざまな機能や構造が分化し。さらに統合されて固体が機能上より有能に、また構造上より複雑な存在になっていく過程」と定義されることが多かった。つまり、未熟な状態から大人としての完態に向かって近づく進歩の過程と考えられていた。
しかし、この考えかたでは、様々な問題点があった。問題点の第1は、発達段階を一人ひとりの子どもの発達の姿を示すものとして実体化してしまいがちであるとうことである。つまり、発達段階を固定したものとして考えてしまいがちになるということである。問題点の第2は、発達段階が一人ひとりのプロセスや、そこにかかわる保育者の援助を示すものとして受け取られてしまいがちであるということである。
以上...