※課題 1 読書指導と読解指導との相違について述べなさい。
まず最初に、読書指導と読解指導との間には、その目的に大きな相違がある。
読解指導の場合、たとえば『高等学校学習指導要領』の「C読むこと」のア、イで規定されているように、「文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり、必要に応じて要約したりすること」や、「文章を読んで、構成を確かめたり表現の特色をとらえたりすること」がその目的とされる。
具体的には、作業を加えつつ、文章についてさまざまな角度から分析していくような指導形態をとることとなる。
たとえば、頻出する中心的なキーワードを探したり、形式段落・意味段落毎に中心となる文を探したりというように、要点を読み取る作業は、全体の意味を把握する上で役立つ。
また、指示語の指し示す内容を検討したり、接続語が文をどのようにつないでいるかを見たりというように、文と文、文節と文節など文章を構成する要素がそれぞれどのようにつながっているかを指導することで、文章全体の構成を把握することができる。
こうしたことは、論理的文章に限らず、文学的な文章にも当てはまる。なぜなら、人物や事...