外国人労働者の受け入れにおける労働市場の変化
-東アジア諸国内の労働者自由移動にむけて-
日比経済連携協定の影響
送り出し国フィリピンの背景
フィリピンは国内経済の不振や10%を超える失業率などを背景に1970年代から労働者の海外への出稼ぎを奨励し、1982年には海外雇用庁(POEA)を創設した。2001年に誕生したアロヨ政権は、労働力を最大の輸出品として位置づけ、看護師、IT技術者等の専門職を海外に送り出す政策を展開している。2004年12月には、フィリピンの人口の約1割、労働人口の2割強である808万人がアメリカ、ヨーロッパ、中東に在住し労働しており、本国への送金額はGDPのおよそ1割に上る85億ドルにものぼる。
フィリピンの看護士はその85%にも上る約30万人が海外で労働し、131の国に在住している。フィリピンの看護士が海外で高い評価を受ける理由は、英語が話せること、4年制の大学でアメリカの教科書を用いた教育を受け、知識・技能のレベルが高いことだと言われている。アメリカでの看護士の賃金はフィリピン国内の月給200ドル程度をはるかに超える約4000ドルにのぼる。
介護士は...
送り出し国フィリピンの背景
受け入れ国日本の背景
日比経済連携協定の内容
受け入れに関する諸問題