○目的)
水酸アパタイトCa10(PO4)6(OH)2は、脊椎動物の骨や歯といった硬組織の無機質に近く、生体適合性が良好で、人工歯、人工骨の材料として注目されている。本実験では、水溶液中において一旦繊維状の前駆体を調整して、これを電気炉で焼成し、水酸アパタイト繊維を合成する。ここでは、チタン酸バリウムの合成に用いた、通常の簡易な原料混合粉末の固相反応とは異なる無機固体材料の液相合成法について学習することを目的とする。また同時に、固体材料の加工法としての繊維状物質へのプロセッシング法についても学ぶ。機能性材料は、その機能を発現させるに1番適した方法で、その材料を加工して用いる。従って、プロセッシングは合成法と同じように重要である。合成過程と同じ過程で同時に行なう場合と、全く別の過程で行なう場合とがある。
実験の概要) 水酸アパタイトの合成⇒XRD測定⇒EDX測定
○原理)
準備するもの)
試薬: アルギン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化アンモニウム、pH緩衝溶液(pH=4及び7)
装置・器具: ビーカー(100ml×5個、300ml×5個)、5...