教育とは「ヒトをして人たらしめる働きである」と言われている。
元々「教育」の語源は、ラテン語のe(out)ducare(draw)に由来している。すなわち、内にあるものを「外へ引き出す」という意味である。この見方には、人間の内面に、教育することの出来る可能性が、先天的に向かって引き出し、現実性にまで願在化するだけの外からの働きかけとしての後天的な作用を必要としているということである。
教育の対象となる全ての子供に、教育を受けるだけの可能性を認めるとともに、教師からの積極的な指導や活動があってこそ、初めて教育が成立するものである。したがって内面からの自発性と、外界からの指導性の両立と調和があって、初めてその最善の高価が発揮されるものということが出来る。
個性伸長、能力開発の立場からは、子供の個性的な特質を伸長し、内面的な能力の開発を進めるにあたっては、まず何よりも教育の対象である子供の側における、一人ひとりの個性や能力に対する徹底した理解把握を通してその全面的な実現、発揮に力を尽くさなければならない。「個別化学習」や、「自主的学習」という見地が殊更強調されている。心身に障害があろうとも、...