デューイは児童中心主義の教育、いわゆる新教育の提唱者として名高く、時に戦後の日本の教育の再出発に多大な影響を及ぼした。著書である「学校と社会」の中で子どもが教育の中で重力の中心となりその周りを教育の諸々の営みが回転するとしている。当時の学校教育法は公教育制度が整備され、教育の機会が拡大されたものの、子どもたちが生き生きとした学習を保障するまでには至らず、画一的なカリキュラムと一斉授業のもとで受動的な学習態度を強いられていたのである。
デューイは躍進しつつあったアメリカ民主主義の中で育ち、自らの教育理論において民主主義との関わりを考えた。彼にとって民主主義は単なる政治形態以上のもので生活をする...