学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するかについて学力の視点から述べよ
学歴社会とは「社会における社会的・職業的地位などの配分の基準として学歴が重きを占める社会」を意味する言葉である。産業革命と市民社会が進展したイギリスにおいて、1853年に東インド会社によってインド高等文官の任用が会社理事による推薦から公開競争試験に移行し、1870年にはイギリス本国高等文官にも同様の試験が導入され、試験による人材の選抜・登用が官僚のみならず各種専門職などでも行われるようになった。このような人事制度は、人々の能力・業績を公平かつ客観的に図る方法として評価され、身分制社会から社会を解放して社会問題を解決する手段として各国に普及した。日本では明治時代以降から現代に至るまでの日本の社会を指すものとして認識されている。この学歴偏重主義はわが国において非常に根強く浸透しているため、求職者のほとんどが「受験」を経験し「合格」を通過し、そして「学歴獲得」を成し、「高い地位・特権」を獲得しようとするといった一連の流れを踏むのである。よってその人に実力や能力がなくても将来的には学歴に...