玉川 通信 教育学
教育学概論Ⅱ 第二分冊
教育の場のあり方について多角的に述べなさい
本稿では、教育の場のあり方について検討する。今日では、学級崩壊や子どもの教育の場として、家庭・学校・地域の側面からみて、それぞれどのような役割があるのかを述べる。
まず、教育の場としての家庭には、しつけをする機能がある。これは、生後から自立するまで15年から20年程度と過ごす年数が長く、一日の中でも多くの時間を過ごす中で、親や兄弟との家族愛に基づいて、生活習慣などのしつけをうける場である。
そもそも教育とは、古来から各家庭で行われてきたものである。親は子どもに対し、幼少期には社会的規範を身につけさせ、また少年期以降には職業技術の伝承といった役割があった。
しかし、現代では職業選択が世襲ばかりではなく、個人の能力と嗜好で選ばれるようになり、一般家庭の子どもも学校で学問を修めるようになったため、家庭の教育機能は一部が学校に移譲されたといえる。
このように、学校教育が出現したため、大半の家庭では親による職業伝承の役割が消失したといえるが、それでもなお家庭での教育の役割は大きい。
その役割とは、家族の愛情に基づく社会性の育...