「ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ。」
スイスに生まれ育ったヨハン・ハイリンヒ・ペスタロッチーにおける子どもの教育学について考察する。
まず「有機的・発生的教育方法」について見ていく。ペスタロッチーは、子どもには将来発展する素質が備わっており、この素質が自然に子どもの内から発展するように助成するのが教育と考えている。そして「私はむしろ、人間本性の本質の中にあって、すでにそれ自体真理であり、この人間本性そのものの自主性の作用である教育の出発点を認めております。」と述べている。当時の古い教育観である「子どもは生まれながらには未だ動物的であるにすぎず、この動物的衝動を根絶することが教育なのである」という考え方に真っ向から反対する。真への認識、美の感情、善の力、これらは全て子どもが生まれながら有しているものであり、教育者は子どもの内的本性が自ら実現していくのを援助することに専念しなければならない。逆に子どもの内的本性に備わっていないものを、外部から注入することは教育にふさわしくないとした。これはジョン・ロックが唱えた「タブラ・ラサ」説(子どもは白紙の心で生まれてくる)...